座る子
久しぶりに執筆しました…!
短編ですがちょっと続くかもしれません。ある程度書き終えたら、連載としてまとめようかとも思ってます。
上記を念頭に置いて、どうぞ。
月曜日で人少ないやろうし、日も軽く陰っとるし。
本を、それもハードカバーの難しそうなやつを持ってく。
まがり角の小さい歯医者さんで右に折れると、ゆるやかに昇っていく道。色あせたアスファルト、ところどころが錆びたガードレール。ずっとまっすぐ行くと丘の公園が見えんだ。
で、ガードレールの木陰になってるとこに座る。本開いて、読む。
時々行き過ぎる人が、物珍しそうにウチ見てる気ぃ、するけど、気にせんわ。浮いとるくらいがちょうどいいの。
毎日な、どっか街の中に座って、景色見て、本読んだりらくがきしたりジュース飲んだりする。
街の景色とか見え方とかってさ、一日の間にクルクル変わって、ホント素敵なんやって。
人が入れ替わってくのはわかるやん、お昼はおばちゃんやおばあちゃんで、夕方はぺちゃくちゃしゃべる中高生やサラリーマンのおっちゃんとか、まぁ場所によって色々あるけどな。そんでな、木とか草花とか、建物も微妙に表情変えたりしてな。ああうん、やっぱ全然違う。そういうのが全部新鮮でな、ピチピチして見えるんよ。
そんで、それだけじゃいかんの。そこの景色と、ずっとその場所に身を置いとるウチとの間に、一定の、透明な隔たりがあること。
ウチはコレが気持ちぃんやな。雰囲気になじむの好きじゃない。なじんだら楽しむもんじゃなくなる気ぃする。お母さんは変って言うんやけど、周りの景色を自分とは他の部分に切り離しとくの。本とかあやとりとかカルピスみたいに、手のひらにのせて楽しむんよ。
そんなんしてダルダル過ごして、一日って、スゴイんやなぁって感動しっぱなしやわ。
ずっと動かんと一日中座ってて、結構広範囲周ったりするしな。ウチ、知られとるとこじゃ知られとるらしいわ。
呼称がな、不思議っ子、とか、座る子、やて。なんやソリャって感じやなぁ。
読んでいただけて嬉しいです。
ありがとうございました!
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