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散歩

作者: 道半 風景

  秋の街を私は歩いていた。


歩道居や電柱を何度も通り過ぎていた。


特に目的地があるというわけではなかった。


ただ考えがまとまらなくて、理由ない考え事に時間を潰すのが私の趣味だった。


  意味のないことに時間を浪費することにシアワセを感じるのが自分が自分であるための証だと思っている。


  ……本当に下らない。自分で自分が嫌になる


  空は曇っていて先が見えなかった。


  下らない考えとは今聞いてる曲についてだ。


  歌詞は悪くない。


むしろ私の好みの曲だ。


音楽ダウンロードサイトで適当に探してたら見つかった曲だった。


  歌詞の一部に「この日が永遠にずっと続けばいいのにな」とあった。


それが少し喉につっかえるようにココロにつっかえたのだ。


  それを聞いて、永遠にこの時間が続いて行けばいいと思ったことはないだろうか。


と、自分に自問自答をした。


例えば恋人と一緒に過ごした時間とかサッカーの地区大会で優勝した時や或いは星を眺めている時間かもしれない。


  そのように感じる時は大抵自分にとってプラスの時間だろう。


ただそれは言い換えれば変わりたくない、変えたくないと感じる時間ではないのか。


変えたくない時間は決してプラスだけとは限らない。


  それでも「この日が永遠にずっと続けばいいのにな」と感じることは悪くはないと私は考えていた。


それが人の思い出とか記憶になるのではないかと自分は考えいた。


  その一方で永遠という言葉はとても残酷なものだとも考えられる。


永遠に続けばいいと感じたマイナスの記憶はマイナスの思い出を永遠に頭の中に留めていなければならない。


それはとても残酷なことだろう。


  ある作家が小説の中に書いていた。


「川の流れが一部のところ止まってしまうとたちまち、濁ってしまう。


人も同じだ同じ場所にずっと止まってしまうとすぐに黒く濁ってしまう。


川は流れてるからこそ清く美しいのだ」と。ざっくりこんな感じだったはずだ。昔読んだ小説だから、文章は少し違うかもしれないが内容はこんな感じだったはずだ。


  この作者は田舎出身で父親がその田舎での顔役だったらしい。


けれど、その作者は父親が嫌いだったらしい、その永遠に続く作者の父親の帝国がそこにあったらしい。


田舎の綺麗な景色でも、そこは交通の便が整っていない流水の溜まってしまう肥溜めみたいな場所になっていたのだろう。

 


作者はその閉鎖された世界を嫌っている。

  だから、今は海外にいるそうだ。


外から日本を見てみたいらしい。


こういう、行動力ある人だった。


  歩いてた周りの景色が知っている街とは少し違っていた。


どうやら随分遠くまできてしまったようだった。


電柱の住所を見てみると隣町まで来てしまったようだった。


  少しのどか乾いた。


周りを見てみると、ちょうどいい塩梅に自動販売機があった。


財布の中身を探ると、飲み物を一本買える値段があった。それ以外はなかった……。



  迷う。私の個人的ポリシーでは財布にはいくらか入っていた方が落ち着く。


ただ喉は乾いている。


飲み物はのみたい。


  葛藤が自分の中におきる。


  五分は悩んだだろう。


結局買うことにした。水を買った。


  また別の考えが頭の中から生まれる。そして、消える。


そんなことを何度も繰り返している。


  哲学と呼ぶにはあまりにも浅く、愚痴と呼ぶにはあまりにも無駄な作業だった。

 


そして、今、一番の問題に気づく。


 周りを見渡して


「ここ、何処だよ……」


 完全に迷った。


 兎にも角にも自分の周りには小さな問題が山積みだった。

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