表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/9

困難の行く末に

はじめて見たここのあさぼらけは 清らかだった。

澄みきった、水彩画のような空から、

太陽がやさしい光を放ちながら、わたしの凱旋を出迎えた。

安心させるような、やわらかくて、あたたかい光明。

一面に敷かれた、ふんわりとした翠の芝生の絨毯。

数え切れないほどの咲き乱れる花々のブーケに、朝露のきらめく木の葉たち。

聖母さまがいらっしゃる――美しい、楽園。



――ここに 来たかったんだ。



もうこの銀色の羽で わたしは翔べない。

嵐のなかで、風にたたきつけられ、

矢となった雨に体を貫かれ、稲妻にも容赦なく殴られた。

1枚1枚、日に日に散っていったけれど、

それでもただ、この陽射しが見たくて、この場所に憧れて、

ただただ、たどり着くことだけを目指して、

荒れた空を一心に舞い続けてきた。








小鳥たちの奏でるファンファーレが響きわたる。


――おかえりなさい――


聖母さまにやさしくつつまれたとき、

わたしの羽は金色に輝き、どの天使にもないような、荘厳な羽に変わった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ