表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

第三話:コロコロ

ラッキーが来てから僕は変わった。

正直、辞めようかすら思っていた仕事も、企画書がいくつかとおり部長に褒められてやる気がでてきたし、プライベートでも前から気になっていた経理の田中さんと二人で食事に行くことも出来て、今は良い友達関係を築けている。

そして、何かいいことがある度にラッキーにプレゼントを買ってきて、日に日にラッキーの私物が増えていった。

そんなこんなで、三カ月が過ぎようとしていたある日の日曜、ラッキーと近くの公園に出かけた。

この公園は一面芝生で真ん中に大きな木が生えていて公園というよりは広場に近い感じがする。

公園に着くと、家からもってきた野球ボールぐらいのゴムボールを僕が公園の端から思いっきり投げてラッキーが取りに走る、ただそれだけのことを何回も繰り返す。

でもそれが楽しくてしょうがなかっ。

しかし突然、ラッキーが戻って来なくなった。 心配になった僕は公園の真ん中、大きな木があるところまで行ってみる。

すると十メートルぐらい先にボールをくわえているラッキーがいて、小学校高学年くらいの女の子に泣きながら抱きしめられている。 ラッキーの気まずそうな顔が見えた。

僕は全てを察した。 来るべき時が来たのだと…‥

ラッキーは僕の姿を見つけると女の子の手を振りほどいて、ボールをくわえたまま駆け寄って来る。

僕はとっさに木の裏に隠れて、大きく二回深呼吸をした。

「来るな!」


僕は叫んだ。 一瞬、静寂が流れる。

ラッキーは歩みを止め、くわえていたボールを落とした。 そして、その場に立ち尽くす。

ラッキーとの距離はおよそ一メートルから二メートル程度だ。

ボールはコロコロ転がってちょうど僕とラッキーの間ぐらいで落ち着いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ