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007⚫️相談はデザートのあとで

「シモフリのボイル、特製ジュレ添えです。エイミーさんには濃厚なソースを。お嬢さんの分は脂を落として細かく叩いてあります。ゆっくり噛んでください。」

差し出された皿は同じ食材でありながら、一方はエイミーを唸らせる美食、

もう一方は衰弱した胃を労わる滋養の一品だった。

一口ごとに温かさが広がり、少女の凍えていた心が静かに解けていく。


「家と工場が・・・知らない人たちに。事故のあと、すぐに来たの。カギも変えられて・・・友だちも頼れないし、親戚もいないし・・・どこへ行ったらいいのかわからなくて。」

震える声が、静かなリビングに落ちる。

「なるほどな。火事場泥棒よりタチが悪いぜ。なあ、エイミー、どうなってる?」

エイミーの指先はすでに端末の上で踊っていた。

「ビンゴ。真っ黒ね。事故の翌日に資産譲渡の書類が受理されてる。受取人はヘッジ・アセット・ホールディングス。最近セキュリティ・コアがマークしてるフロント企業よ。法的にはギリギリ。手強いわ。」

ジンは最後のデザートをそっと置き、少女に向き直る。

「尾石さん・・・美佐世さんでしたね。ご両親は何を作っておられたか、ご存じですか?」

「ううん・・・むずかしくて、よくわからなかったの。」


外は依然として寒空だったが、

部屋の中の三人は、すでに熱く燃え始めていた。


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