enjoyその5
「よし」
大樹が冷蔵庫からビールを一本取り出した。
「とりあえず一本いくか」
こばが笑う。
「いいじゃん」
大樹はもう一本取り出して僕に投げた。
「世一も飲め」
「ありがとう」
僕はキャッチする。
ウッチーも一本取り出した。
「南米最後の夜だしね」
「乾杯するか」
大志が言う。
僕たちはテラスに出た。
湖の風が気持ちいい。
大樹が缶を掲げた。
「南米旅行お疲れ!」
「乾杯!」
缶が軽くぶつかる。
プシュッという音と一緒に、冷たい泡が広がった。
「うめぇ」
大樹が笑う。
「景色込みで最高だな」
確かにそうだった。
目の前には湖が広がっている。
波はほとんどなく、水面は静かだった。
しばらくテラスで飲んでいると、大志が突然立ち上がった。
「泳ごうぜ」
「は?」
こばが振り向く。
「ここで?」
「湖だぞ」
「だからだよ」
大志は笑った。
「こんなとこ二度と来ないだろ」
そう言うと、テラスから飛び降りて藁の地面を走る。
「おいおい」
大樹も笑う。
「面白そうじゃん」
次の瞬間、大志は湖に飛び込んだ。
バシャーン
水しぶきが上がる。
「冷てぇ!」
湖の真ん中で大志が叫んだ。
「当たり前だろ」
こばが笑う。
大樹が立ち上がる。
「俺も行く」
「ちょっと待て!」
と言いながらも、すぐにシャツを脱ぎ始めた。
結局、五人とも湖に入ることになった。
水は思ったより冷たかった。
冷たすぎてすぐにでも出たくなった。
しかし世界一標高の高い湖の真ん中で泳ぐなんて、なかなかできる経験じゃない。
「うおー!」
大志がまた叫ぶ。
「最高!」
大樹が笑う。
「テンション上がりすぎだろ」
僕たちはしばらく湖で遊んだ。
やがて体が冷えてきて、順番に島に戻る。
「寒っ」
ウッチーが言う。
「シャワー浴びよう」
僕たちは部屋に戻り、順番にシャワーを浴びた。
湖の水より温かいお湯が、体にしみる。
着替えて部屋に戻ると、外は少し暗くなり始めていた。
時計を見る。
18時50分。
「夕飯そろそろだな」
こばが言う。
僕たちは靴を履き、部屋を出た。
湖の風は、昼より少し冷たくなっていた。




