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トトラ  ~方舟読んだ方おすすめ~ ~ホラー好きな方おすすめ~  作者: るらべー


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enjoyその2

ボートはゆっくりと島に近づいていく。


近づくにつれて、島の形がはっきり見えてきた。


湖の上に浮かぶ、小さな島。


表面は全部、乾いた藁の色をしている。


「ほんとに藁の島だ……」


ウッチーがぼそっと言った。


さっきまで見ていたウロスの浮島と似ている。


でも、どこか違う。


ウロスの島には人の声や観光客の姿があった。


けれどこの島は――


静かすぎた。


ボートのエンジン音が、やけに大きく聞こえる。


やがてボートは島の端に近づき、管理人がエンジンを切った。


水の音だけが残る。


「着きました」


管理人が言った。


僕たちは順番にボートを降りる。


最初に降りたのは大志だった。


足を島に乗せた瞬間――


「おおっ」


大志が声を上げる。


「なんだこれ」


僕も続いて降りた。


足の裏に、少し柔らかい感触が伝わる。


地面なのに、わずかに沈む。


湖の水に合わせて、ほんの少しだけ揺れている。


「ふわふわしてる」


大樹が笑った。


「湖の上だなこれ」


確かにそうだった。


ここが湖の上に浮かんでいる島だということを、足の裏で実感する。


僕たちは島の上に立って、改めて周りを見渡した。


湖。


空。


それから――


島の中央に建っている建物。


木でできた高床式の建物だった。


看板がかかっている。


そこには、少し色の褪せた文字で


「ウロスアイランド」


と書かれていた。


「おお、いいじゃん」


大樹が言う。


「思ったよりちゃんとホテルだな」


確かにそうだった。


湖の真ん中にあるとは思えないくらい、普通の建物に見える。


でも――


僕は少しだけ違和感を覚えた。


静かすぎる。


湖の風の音しか聞こえない。


さっきまでいたウロスの島とは、まるで別の場所みたいだった。


ボートから降りると管理人はボートを停めた場所の方を指差す。


「ボート乗り場から見て――」


「右側にある建物が、レストランです」


湖の方を見ると、確かにもう一つ建物が建っているのが見えた。


木でできた大きな建物で、テラスのような場所が湖に向かって広がっている。


「食事はそこで出します」


「その横は共用スペースになっています」


「自由に使ってください」


僕たちはうなずきながら聞いていた。


管理人は今度は反対側を指差す。


「そして、こちらが宿泊棟です」


そちらを見ると、建物がいくつか並んでいるのが見えた。


「ホテルは三棟あります」


どれも同じような作りだった。


木でできた高床式の建物で、屋根は少し丸みを帯びている。


「なんか……」


大樹が言った。


「バリ島のロッジみたいだな」


確かにそんな雰囲気だった。


湖の真ん中にあるとは思えないほど、南国のリゾートみたいな建物だ。


もっと簡素な建物を想像していたけれど、ここは意外と整っている。


管理人は軽くうなずいた。


「部屋の説明はあとでします」


そして入口の方を指差す。


「まずはチェックインをしましょう」

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