番外編 クールビズ
Tシャツネタが思いもよらぬ方向に。
──夏
男性社員が半袖のワイシャツなり、ネクタイを外しているのを見ると、夏が来たのを感じる。
でも、羽山さんはネクタイはしてるしスーツのジャケットも着たままだ。
どうしてだろう。去年はそうじゃなかったのに。
私は家に帰って羽山さんに聞いてみた。
「羽山さん、こんなに暑いのになんでジャケット着てるんですか?」
羽山さんは暫く何も言わなかったけれど、険しい顔でこちらを見た。
「この状況でジャケット脱げると思うか?」
羽山さんはジャケットを脱いだ。
「このTシャツのせいだよ」
『瑠』 『美』 『命』
達筆な字で書かれたようなフォント。
ワイシャツから透けて見える。
「え、でもそれ自分で選んだんですよね?」
羽山さんがもどかしそうにしている。
「そうだけど……」
何かと葛藤している。
「隠す必要ないじゃないですか?」
「流石に業務に支障が出る」
営業だから、取引先の目があるのはわかる。
でも羽山さんは自分でそれを買った。やや納得がいかず。
でもこの暑い中、そのせいでジャケットを脱げないのは気の毒だ。
「じゃあ、夏だけはやめた方がいいかもしれませんね」
羽山さんはホッとしていた。
「じゃあ代わりのものを探しますね」
「は……?」
そして私は思いついた。
数日して"それ"が届いた。
「羽山さん、こちらを代わりにどうぞ」
それをみた瞬間、羽山さんの顔が青ざめた。
「これなら誰にも気づかれないですよね」
羽山さんの新しいボクサーパンツに印字してもらった。
『瑠』 『美』 『命』
ついでにハートも印字してもらった。
「……」
羽山さんは何も言ってくれない。
「何か都合悪いですか?」
「いや」
次の日から羽山さんはそれを履いて行った。
これで夏も大丈夫!
私達、最高な夫婦ですよね!
羽山さん!
──fin
留美の尻に敷かれるしかない羽山さんでした。
次が最後の番外編です!




