第4話 不思議な人
その日の帰宅後。
私は寝る準備をしてすぐにゲームにログインした。すると──
ハヤテ『こんばんは』
ハヤテさんからすぐにチャットが飛んできた。
あまる『こんばんは!』
ハヤテ『昨日の続きやる?』
あまる『はい!』
ハヤテさんから声をかけてもらえたことがとても嬉しかった。
ハヤテ『じゃあ水晶の塔まで来てくれる?待ってるから』
ハヤテさんが私のために待っててくるなんて……嬉しい!
あまるは転移魔法でハヤテさんの待つ水晶の塔へひとっ飛び。
たどり着くと、ハヤテさんとレンタルキャラが待っていた。
ハヤテさんはあまるにあいさつのジェスチャーをした。
あまるも同じジェスチャーをしてみる。
まるで本当の友達みたいだ。
ハヤテさんに導かれながら、ダンジョンを攻略し、ボスのところまで行った。
初めてのボス戦!
オンラインゲームのせいか、迫力が……!
ただ逃げ回る私と、積極的に技を決めるハヤテさん。
ほぼ役に立てず終わったボス戦。
ハヤテさんとレンタルキャラだけで倒した。
不甲斐ない……。
あまる『ごめんなさい』
ハヤテ『全然気にしていないよ』
ハヤテ『一緒にゲームができて嬉しい』
私も嬉しかった。
眠くなったから、ゲームを終わらせることにした。
あまる『おやすみなさい!』
ゲームを終わらせて、私はベッドで眠りについた。
◇ ◇ ◇
次の日も急いで仕事を終わらせて、すぐに帰ってゲームをやりたかった。
……しかし。
仕事でトラブルが発生した。
新人の事務の子が発注ミスをしたせいで、取引先へ渡すはずの商品が届かなかった。
私も営業事務の端くれ。
しかもその子は新人。
放っておけない。
その話が落ち着いた後、その子のところに行った。
近づいてみたら、新人の子が半泣きだった。
私はその子の隣に立った。
「私も新人の時たくさんミスしたから……。でも、次から気をつければいいんだよ。何か困ったら私に相談して!」
その子はゆっくり頷いた。
「ありがとうございます……」
なんとか大丈夫かな……。
私が振り返って歩こうとしたら、思いきり誰かにぶつかってよろけた。
その時、とっさに支えられた。
羽山さんだった。
「すみません!」
私は慌てて頭を下げた。
羽山さんは私を見下ろしていた。
表情が読めない。
また迷惑をかけてしまった。
「……大丈夫か?」
「あ、はい!大丈夫です」
私が答えると、羽山さんは少し表情を緩めた。
「新人、よろしくな」
そう言って羽山さんは歩いて行った。
あんな表情もするのか……。
いつもより少し、優しかった気がする。
度重なる羽山さんとの接触に戸惑いながらも、少しまた近づけて嬉しいと思っている自分がいた。
私はその後、急いで帰った。
帰ってからご飯を食べて、風呂に急いで入って、すぐにゲームを立ち上げた。
今日はあまりプレイできないな……。
ゲームにログインして、ストーリーを進めようとした。
パーティーメンバーをレンタルして、次なる目的地に進もうとしたら――迷子に。
オンラインゲーム……世界が広大すぎる!!
その時、チャットがきた。
ハヤテ『こんばんは。何してる?』
あ!ベストなタイミング!!
あまる『今、次の目的地に向かってて、迷子になりました!』
ハヤテ『場所教えて、行くから』
助かった……。
ハヤテさんはすぐに来てくれた。
場所を教えたら、そこまで親切に連れて行ってくれた。
あまる『ありがとうございます。あとは自分で頑張ります!』
ハヤテ『俺も一緒にプレイしたい』
どうやら、ハヤテさんはメインストーリーを昨日から進めていなく、私がログインするのを待っていたみたいだ。
なぜ軟弱プレイヤーの私と冒険しようとしているのかはわからないけど、一緒に冒険してくれる人がいるのは嬉しかった。




