第38話 あの時の星空
羽山さんが復活して出社した日、羽山さんは会議室で部長とずっと話し込んでいた。
どうやら相当な仕事量だったのをやっと理解されたようで、今後は仕事量を調整されるようになった。
それを聞いて一安心。
私はあれからほぼ毎日羽山さんの家に居た。
羽山さんがダウンして看病していた流れで、一緒にいる日々が続いていた。
平日は待ってる事が多いから、頑張ってご飯を作ったり、こっそりハヤテを操作したり、眠くなったらそのまま寝てしまったり。
「……おい風邪引くぞ」
ソファで寝ていたら、帰ってきた羽山さんに指摘されて今度はベッドですやすや寝ていた。
羽山さんが疲れて帰ってきたのに、先に寝てるなんてダメだ!起きてから反省した。
二人で出社する時間をずらして毎日を過ごしていた。
◇ ◇ ◇
とある休日、私が自宅に帰って色々書類整理や掃除をしていると、羽山さんから連絡がきた。
「夕方、エタクエとゲーム機持って家にきてくれる?」
「はい、わかりました!」
『エタクエ』最近ほとんどログインしていなかった。
何かイベントがあるのかな?
夕方に羽山さんの家に行くと──
部屋が少し薄暗くて、壁にたくさんの星が浮かび上がっている。
「なんですか!?これ!」
「ネットで見つけて買ってみた。家でプラネタリウムできるやつ」
「わあ、すごく綺麗です……」
部屋の中でこんな空間が作れるなんて……!
「素敵です。癒されます」
ぼーっと見ていたら、エタクエを立ち上げるように催促された。
立ち上げて画面に出たのは、久々に見たハヤテとあまる。
「なんか、ちょっとやってなかっただけで懐かしいです」
「ちょっとの間に色々あったからな」
ハヤテに導かれるまま、あまるがついていくと──
あの日、ハヤテと見た満天の星空が見える丘だった。
ここは私の大切な思い出の場所。
あの時はまだハヤテが羽山さんだと知らなかった。
私が久々に見て感動していると、羽山さんが手に何かを持っていた。
「なんですか?」
パッと開いた手の中には、星のようにキラキラした指輪があった。
「わー!すごい綺麗です!」
指輪をじっくり見てると、それを羽山さんが私の指にはめた。
「え……?」
「こっちでも俺と結婚してくれますか?」
羽山さんの、真剣な眼差し。
夢みたいだけど、現実なんだ。
「ありがとうございます……私を選んでくれて」
きっかけはゲームだったけれど、それが恋になって、愛になって、結ばれるなんて、そんな夢みたいな話がここにはあった。
私は感極まって羽山さんに抱きついた。
「嬉しいです!大好きです!ずっと一緒です!一生離れません!」
泣きながらほぼ叫んでいた。
羽山さんはただそれを、ずっと聞いていてくれた。
星の光が二人を包んで、私達はずっと愛を確かめ合っていた。
それが永遠であるように祈りを込めて。




