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オンラインゲームのフレンドが直属の上司だった件  作者: 七転び八起き


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第37話 新たな決意

 新年度になって、配置換えがあったりしたけど、私と羽山さんは変わらず同じグループだった。


 ただ──


 羽山さんの仕事量が倍増して、打ち合わせや外出などでほとんど会社にいない。

 会社で会う事はほとんどなくなってしまった。

 平日羽山さんがエタクエにログインできる回数が減って、土日だけ会う日々が続き、それが二人にとって貴重な時間だった。


 ──そんな矢先


 とうとう羽山さんがダウンし、高熱を出して寝込んでしまった。

 心配で心配で仕事を休んで看病したかったけど、そういう訳にもいかず。

 私は仕事を早く終わらせて羽山さんの家に行った。


「忙しいのに悪い……」


 見るからに体調が悪そうな羽山さんが玄関先で出迎えてくれる。


「いえ!全然気にしないで下さい!」


 恋人の危機なんだから来て当然!

 私は気合を入れて、買い出しに行ったり、家事を手伝った。


「こういう時に誰かがいるって、安心するな」

「そうですね。体調悪い時って心細くなりますよね」


 あっという間に終電が近くなってきた。


「すみません。今日はそろそろ帰ります」


 帰ろうとしたその時、羽山さんに手を掴まれた。


「ああやっぱりだめだ」


 掴まれた手が熱い。


「どうしたんですか?」

「引き留めたらダメだって、明日も仕事だってわかってる。でも、行かないで欲しいって思ってしまう」


 私も側にいたい。

 羽山さんを一人にしたくない。


「いいですよ。私、今夜一緒にいます」

「いや、いい。ごめん。流石に上司としてそんな事お願いするのは間違ってる」


 上司とか部下とか──。


「だったらもう、上司と部下、やめましょう!」

「は!?」

「それが原因で羽山さんと私がまともに一緒にいられないなら、私はもう部下じゃなくていいです!」


 しばらく沈黙が続いた。


「それって……辞めるって事?」


「はい。違う会社に行けば、余計な事考えないで会えますし」

「いや。それはやめてくれ」

「え!なんでですか?」


 羽山さんが私の頬に触れた。


「俺の目の届かない所に行くなよ」


 胸が張り裂けそうだった。

 涙がたくさん溢れてしまった。


「じゃあどうすればいいんですか……?」


 このままただ遠くから見守ってるの?

 困ってても側にいられなくて。


「瑠美、結婚して」


「え?」


 突然羽山さんから出た言葉に頭が真っ白になった。


「こんな時に言ってごめん。でももう俺も限界だった」


 羽山さんにぎゅっと抱きしめられた。


「一緒にいよう。ずっと」


 羽山さんの体がすごく熱い。


「ありがとうございます。すごく嬉しいです」


 私は羽山さんをまた寝かせた。


「まず、ちゃんと体調回復に専念してください。それからまたちゃんと話したいです」


 羽山さんと手を握ったまま、私は一晩を明かした。


 朝起きて、羽山さんの熱を測ったら、熱がかなり下がっていた。


「やった!!」


 羽山さんが復活してきた!


「でも、また同じような仕事のやり方してたら、また倒れてしまいますよ!」


 羽山さんは考えていた。


「その辺は会社の人と相談してみる」


 私はそっと羽山さんにキスをして、会社に行った。


 ──結婚


 羽山さんの側にずっと居られるのは嬉しい。

 そうなった場合、私たちがどうなるのか不安だった。

 でももう私の心は決まっていた。


 新たな決意を胸に、また私は歩き出す。

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