表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オンラインゲームのフレンドが直属の上司だった件  作者: 七転び八起き


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/46

第36話 変化

 あの日から、羽山さんは少し変わった。

 笑顔が増えて、色んな社員とのコミュニケーションも増えてきて、なんだか別人みたい。

 これが本当の羽山さん?

 不思議だなぁ、とじーっと見ていた。


 今まで羽山さんと話していなかった女子社員が、羽山さんに話しかけたりするのを見るとモヤモヤする。

 羽山さんが明るくなったのは素晴らしい事だ。

 だけど、敵が増えるのは嫌だ!

 私の羽山さんなのに!


 でも、羽山さんの幸せを考えるなら、これくらい我慢しないと……。

 私は打ちひしがれていた。


「天川、あとでミーティングするから別室で待ってろ」


 羽山さんに声をかけられた。


 ミーティングって何?


 よくわからないまま別室で待っていた。

 しばらくしたら、羽山さんが書類を持って入ってきた。


「これ今年度の人事評価」

「え!?」


 私は渡された紙を見た。

 思ったより評価はよかった。


「これは公平な目で判断したものだから、それはちゃんと言っておく」

「はい。とても公平な意見が書かれていますね」


 私情を挟まない、それはいい事だ。

 ちょっと辛いけど。


「私来年度からも頑張ります!」

「期待してる」


 私は評価シートを持って別室を出ようとした。


「では失礼します」

「待て」

「え?」


 羽山さんに部屋に戻された。


「きた……?」


 あ──


「はい、ちゃんときましたよ」


 羽山さんはホッとしている。


「ごめん……もしもの事考えてて、結構緊張していた」


 私も少し不安だった。

 でも、私はそれでもよかった。

 現実それだと色々ややこしくなるから、この方がいいんだけど。

 まだ羽山さんとの時間を大切にしたいから。


「瑠美」


 気がついたら羽山さんが目の前にいた。

 妖しい目つきをしている。


「業務中なのですが……」

「俺が許す」

「公私混同です!」


 やや抵抗を試みたが、唇を塞がれてしまい、心ごと持っていかれてしまった。

 ご機嫌な羽山さんと、フラフラな私。

 こんなキャラではなかったのに。

 でもこういう羽山さんも好き。


 そのまま休憩スペースに行ったら、鈴木さんがいた。


「天川さんお疲れ〜」

「お疲れ様です」


 ニコニコしているけど、何を考えているかわからなかった鈴木さん。

 彼の過去の経験から私にアドバイスをしてくれて、それから少し見方が変わった。


「羽山となんかあったの?」


 流石察しがいい。


「いえ、そんな特別な事は」

「なんか、羽山、少し昔のあいつに戻った感じがする。」


 過去のトラウマから感情を封じてた羽山さん。

 少しでもそれが癒えたならよかった。


「いつ結婚するの?」

「え!?」


 私が固まっていたら鈴木さんが笑った。


「色々顔にですぎ」


 恥ずかしくて俯いていると、後ろから刺さるような視線を感じた。


「絶対来ると思った」


 なんとなく私も来ると思っていたけど、羽山さん、さっきのご機嫌が斜めになってしまった。


「瑠美の事からかうのやめろよ」


 羽山さん、もう隠せていない。


「俺にも幸せ分けてー」


 鈴木さんは羽山さんをイジったあと仕事に戻った。


「何言われた?」

「ただの世間話です」


 そういえば──


「羽山さん、エタクエで春のイベントやってるんですよ!」

「知ってる」


 知ってるならなんで言わないんだ!


「私は今日からイベント報酬ゲットの為に頑張ります!」

「俺を放置するなよ……?」


 窓から見える桜が、私達を見て微笑んでるような、そんな気がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ