第18話 明かされた過去
エタクエではクリスマスイベントが始まった。
イベント用の可愛い装備がでてきて、それをあまるに着せて楽しんでいた。
今日は通話をしながらゲームをしていた。
ハヤテはトナカイのコスチュームを着ていて、それがシュールで笑ってしまった。
「羽山さんって面白いですね、ゲームの中だと」
「ここだとなんでもありだろ」
リアルとのギャップが凄すぎて、それがたまらなく私の羽山さんへの気持ちを熱くした。
「羽山さんって昔からあまり感情を出さないタイプだったんですか?」
実は羽山さんの過去が気になっていた。
「いや、こうなったのはここ数年でかな」
何かあったのかな?
「差し支えなければ聞いてもいいですか?」
少し羽山さんは少し沈黙したあと、話し始めた。
「数年前に別の支店で、パワハラがきつい上司がいて。もう何言ってもダメで、それに一喜一憂してるのが面倒くさくなって仕事では感情を捨てた」
そんな人が居たのか……。
うちの会社はここ数年でコンプライアンスが厳しくなったから、通報があると処分が下る場合もある。
でもそれより前だと、かなり横行していたってのは聞いたことがある。
「実家が遠いから、学生時代の仲間とも会わなくなったし、まともに話すの、鈴木くらいだった」
羽山さんの過去の傷。それが彼をこうしてしまったんだ。
胸が痛んだけど、羽山さんが私に過去を打ち明けてくれたことが、不謹慎だけど嬉しかった。
「羽山さん、言いにくい事を聞いてごめんなさい。でも言ってもらえて、また羽山さんの事知ることができました」
そんな深刻な話をしてるけど、あまるとハヤテは雪合戦をしている。
「天川は裏表なさそうだし、結構素直だから、そういう奴は信用できるかな」
信用されてる!羽山さんに!
とても光栄に思えた。
「なんかあまるって、最初会った時から天川に雰囲気似てたんだよな」
え??
「この可愛いエルフちゃんがですか!?」
羽山さんが少し笑った。
「話し方とか、のほほんとした感じとか、距離感とか。なんとなく」
そんなのゲームキャラでわかるの?
私そんな自分の性格丸出しだったのかな。
「だから、あまると冒険した時、ずっと一緒にいたいと思った」
くっ……
羽山さんの言葉でキュン死しそうだ。
「素直に話してくれて嬉しいです」
時間はあっという間に過ぎて、そろそろ寝ようとした時。
「瑠美って呼んでいい?」
「え……え!?」
そ、そんな!!
羽山さん、リアルでも積極的に!
「いいですよ……」
凄く恥ずかしいけど。
「おやすみ、瑠美」
私は恥ずかしくてベッドの上で悶えていた。
あまり会えないけど、今はなんとかこれで乗り越えられそうな気がした。




