第10話 更に縮まる距離
その日、あまるとハヤテは、ストーリー攻略のため、とある城に来ていた。
城の女王様に話を聞きに行くためだ。
どうやら、この城付近で最近強い魔物が出て、その原因を女王様が知ってる事。
その時の私達の格好は、"ヴァンパイア"と"オオカミ男"だった。
なぜかと言うと、ちょうどハロウィンのイベントが開催されている最中で、イベント期間中その衣装でゲームをがきるからだ。
ヴァンパイア・ハヤテ
オオカミ男(女)・あまる
どう考えてもふざけた衣装だけど、真面目にストーリーを攻略しようとしている。
ハヤテはちゃんとゲームのホームページやお知らせをチェックして、新しいイベントや機能が実装されたら教えてくれる。
最近仕事以外はほぼこの世界で遊んでる。
会社では相変わらず羽山さんはポーカーフェイスで仕事をしているけど、ハヤテはゲームイベントに積極的に参加して、面白いジェスチャーをゲットして見せてくれたりする。
──最近わかったことがある。
ここがプレイヤー同士が交流するオンラインゲームだからか、カップルがイチャイチャしているのをいたる所で見かける。
その時、凄く気まずい。
ハヤテは特にそれにふれずに進む。
通りたいのに、抱き合っている。
非常に通りにくい。
ハヤテは構わずジャンプして進む。
何なんだよこの世界は!
ゲームでまでリア充披露しないで欲しい!
そのままハヤテとストーリーを進める。
囚われの姫を助けに海辺の洞穴へ、ハヤテを先頭にただただ進んで行く。
そしてボス戦が始まり、あまるはハヤテに隠れてやっていた修行の成果を発揮した。
あまるは防御魔法をひたすら仲間にかける。
効果が切れそうになる瞬間を見極めてまた魔法をかける。
仲間が倒れたら直ぐに蘇生魔法。
そんな感じで、ボス戦は終わった。
ハヤテ『あまる、いい感じ』
ハヤテに褒められた。
あまる『やったー!』
と浮かれる。
その後のストーリーは、囚われの姫と、私たちと一緒に姫を助けに来た町の青年がキスをするシーン。
気まずい……。
でもそのあと、曇った空が晴れ渡って、虹がかかって、それにすごく感動した。
そのストーリーが終わって、また次の目的地がわかったけど、寝ないといけない。
また寝不足で仕事に支障がでたらダメだ。
あまる『そろそろ寝るね』
その時、ハヤテがゆっくり近づいてきた。
触れそうな距離まで。
ハヤテ『おやすみ、あまる』
ゲーム内が夜だったせいか距離が余計に近く感じて、ハヤテが羽山さんだとわかったからか、私は恥ずかしくなってすぐにログアウトしてしまった…。
鼓動が早くなる。
羽山さんの事は、今まで『よくわからない上司』くらいにしか思ってなかったけれど、だんだんと距離が近づくにつれて、意識し始めてる自分がいた。




