夢にまで見た異世界転生
「あっ、やべこれ死ぬやつだ。」
俺の名前は、佐藤 光司。
27歳。独身。彼女なし。
趣味はゲームとネットサーフィン。
日夜、生きる為、金を稼ぐ為、社畜となって働いている。
今日はついてない、定時間際に、パワハラクソ上司に仕事を頼まれ、帰るのが遅くなってしまった。
なんで、あのクソ上司が結婚できて、俺はできないのか、不思議でしょうがない。
この世は不思議でいっぱいだ。
やっと仕事が片付き、時計を見ると既に夜の12時を過ぎていた。
(よし、まだギリ終電間に合う。ダッシュだ。)
戸締りや帰宅準備を済ませ、足早に会社を出る。
ダッシュと言っても、最近オジサン気味なので早歩きだ。
「なぁ、良いじゃん、ちょっとくらい付き合えよ。」
「やめてください、ちょっと、、、やめて」
(うわ、なんかOLが大学生っぽいのに絡まれてる。可哀想。)
心の中で、OLに手と手と合わせて合掌する。
そして、彼らと距離を取る様に歩く。
触らぬ神に祟ら無し。
我関せず、に徹する。
それが普通の生き方。
「「ちょっとやめてくださいっ!!助けて!そこのお兄さん!」」
「おい、君。嫌がってるだろ、やめなさい。」
なんか、俺の口から自然と声が出た。
我関せずを貫いていたが、
女の子に助けを求められたら、助けなきゃいけない。
それが男ってもんだろう。
「なんだ、おっさん。野郎に興味ねーんだよ」
と言いつつも、男は標的を俺に変えた様だ。
男の目と目が合う。
その瞬間俺は後悔した。もっと早く助けに来るべきだった。
なぜなら男の目は焦点が合ってない。完全にイカれてる。
聞きのいいオクスリでも飲んでいるのかな。
さぞあのOLは怖かったろう。
既にOLとイカれ野郎との間に距離が出来ていたので、女性にアイコンタクトを送る。
女性も意図を理解した様で、一目散に男から逃げる。
良かった、と安堵したのもつかぬま、男は刃物を取り出した。
すると、即座に俺に斬りかかってきた。
ドスッと鈍い音。
なんだこれめちゃくちゃ痛い。
しかも身体が猛烈に熱い。
卸したてのワイシャツが真っ赤に染まる。
相手は刃物持ち。こっちは喧嘩未経験、インドアゲーマーだ、勝てるはずがない。
だが、アドレナリンというやつか。何故か、痛みが消え、冷静になり、頭が回る。
「あっこれ、やべ、死ぬやつだ。」
俺は理解した。
理解が追いつくと共に、自分の使命も天より授かった。
「「こいつのキンタマを潰す」」
使命を全うする為、ゆっくりと身体を起こし、
油断しているヤツの股間に渾身の蹴りを入れた。
彼は悶絶して、床に伏している。
「「まだ、まだ、いける。」」
そう、またしても天啓が降りた俺は、
最後の力を振り絞ってヤツに踵落としを決めた。
薄れゆく意識の中で、ヤツの悲鳴だけが聞こえる。
そうして使命を全うした俺は、この世を去るのだった。
「うぎゃゃゃな」
(知らない天井だ)
人生で一度は言ってみたいセリフ。
ついにこの日が来たか。
でも今俺の口からでたの、赤ちゃんの言葉じゃなかったか?
ってか俺刺されて死んだんじゃ…
困惑していると、女性が微笑みを浮かべ、覗き込む様に目の前に現れた。
赤髪が綺麗だが、これは地毛か?
しかもめちゃ美人。
ただ、汗もすごいし、なんかめちゃつらそう。
大丈夫か?
まさか、刺されて頭がおかしくなって、風俗にでも来てしまったいのか、、
赤ちゃんプレイのオプションまで付けて、、!
赤髪の女性が、俺に何か話しかけている。
「…、…………………………。…、…、……。」
((ああ、私の愛しいルクス。なんて可愛いの。
はぁ、はぁ、貴方はしっかり生きるのよ。))
(何語だろう、聞いたことない言葉だ。)
とりあえず、挨拶してみるか。
「ダァーダァ、ダダダッ」
(Hello,こんにちわ)
ダメだ、口が上手く回らない。
それになんだ手足がほとんど動かん。
やっぱりこれ、赤ちゃんになってない?
もしかして、異世界転生してない?
お、この手のラノベはいっぱい読んでるから、理解が早いぜ!!
え、もちろん普通にチートとか貰えるよね??




