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婚約破棄の瞬間、国王陛下が泣きながら「俺と結婚してくれ」と言った

 婚約破棄を告げられた瞬間、胸の奥で何かが静かに崩れ落ちた。
 会場に響いたのは、私の名前を嘲るようなざわめき。
 長年の婚約者であった第二王子が「他に好きな人ができた」と告げたとき、私はただ黙って礼をした。泣かない。惨めな姿だけは見せたくなかった。

 けれどそのとき、玉座から足音が響いた。
 ゆっくりと立ち上がったのは、誰よりも冷静で、感情を見せないと噂される国王陛下。
 そして、皆の前で彼は泣いていた。

 「――ならば、俺が娶ろう」

 誰もが息をのむ中、陛下は私の手を取り、涙をこぼしながら言った。
 「俺はずっと、お前を見ていた。彼の隣に立つお前を見るのが、つらかった」

 冷たい宴が、突然、涙と温もりに塗り替えられる。
 婚約破棄から始まる、運命の逆転劇。
 泣いたのは、私ではなく――陛下の方だった。

 これは、悲しみの夜から始まる“涙の溺愛譚”。
 愛されることを知らなかった令嬢と、心を閉ざした王が、互いの傷を抱きしめながら未来を紡ぐ。
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