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16,僕の婚約者がかっこいい

今回はアレクセイとシサーカ2人sideになります。

●アレクセイside


 今、凄く気に入らない。理由はわかっている。先日婚約したセレーネのことだ。


 いや、セレーネ自体が気に入らないわけではない。セレーネの周りにいる奴らだ。



 ロルフはまだ良い。出会った時からいたんだ。もう慣れている。問題はもう一方。


 幻の存在とされていた氷竜。


 僕との婚約が決まった日の朝、セレーネは氷竜と契約をしていたのだ。永遠に切れない契約。来世でも出会ったという事例まであるくらいだ。



 羨ましい。僕の方が先に好きになったのに。何で後から来た氷竜に取られるの?そこは僕の場所だ。セレーネから離れろよ。


 あ、こっち見た。セレーネ、僕のセレーネ。え?おいでって?行っても良いんだ。じゃあ遠慮なく。



 「セレーネ」



 「ん?どうした?」


 寂しいという気持ちを込めてぎゅうと抱きしめる。


 「ははっ。今日はいつにも増して甘えただなぁ」


 その通りすぎて何も言えない。でも嫌な顔せずにいてくれるから嫌悪感は感じていないはずだ。


 「よしよしよし。寂しかったのか?」

 「ぅん、そう。寂しかった」


 ロルフと氷竜の顔は今見ることができない。絶対後から色々言われる。

 

 特に氷竜。


 僕をライバルとして若干敵視してくるから揶揄われるに決まってる。ロルフはまあ僕の顔を見てニヤけるくらいなので害は氷竜ほどではない。


 「もうちょっとぎゅうする?」


 耳元で女の子にしては低めの声で囁かれる。どうしたらこんなに格好よくなるんだ。男の僕が情けなくなってくるじゃないか。



 「……する」



 もうこれではどちらが乙女なのかわからないではないか。でもなかなかこんな機会はないしもう少しだけ堪能していよう。





●シサーカside

 

 目の前の光景は非常に癪に障る。アレクセイが婚約したセレーネに抱きついているのだ。いや、婚約者との抱擁は別に問題ないが。問題ないが!



 ボクが問題ある!ボクだってセレーネに抱きつきたい。それに契約した時に服を用意すると言ったままなんとなくあいつに阻止されてまだ行けてない。あっちもボクの視線に気づいているのか、こちらは向いてこないけど何かやだ。


 セレーネが婚約者におねだりされて断るわけないってのを利用して!狡い。



 「お前素直だな。全部顔に出てる」


 犬姿のロルフがニヤニヤして聞いてくる。


 『せっかく側にいられるようになったのにアレクセイに独り占めされてるし』


 本当に。少しくらいその時間をボクに譲ってくれたって良いのに。大人気ない。


 とりあえず服は欲しい。人の姿になりたい。未だにバスローブだ。人の姿になれるだけでも良い方だとは思うけど。けど、やっぱりロルフみたいに一緒に買い物とかしてみたいのだ。




 心の中で絶対にセレーネと買い物に行くと宣言して屋敷に戻る2人について行った。

今回の登場人物

・セレーネ・バークレイ(13)

・アレクセイ(14)

・ロルフ

・シサーカ

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