生き延びろ! 3
到着っと。で、なにこれ。
数多くの人間が銃を乱射しまくり、化け物を滅多打ちにしている光景。
「なに、これ。FPS的なゲームなのに、レイド戦だった?」
無感情的に銃を打ち続ける人間たち。それに対して生きてるかのように暴れる化け物。腕を振るえば人間たちは吹き飛…
「させっか、バーカ」
ロケランで体を撃つ。そうすれば体制を崩す。そうなれば腕もまともに振るえなくなる。そうすればスカる。
よしよし。
「これあれだろ。ダメージを与えつつ、他のやつ守ったほうが楽になるやつやろ。知ってるんだ」
ということで…俺は高速移動で撹乱しつつ、嫌がらせだぜ!
執拗に足を撃って動きを悪くする。振るおうとした腕目掛けてロケランを撃って攻撃の出始めを潰す。
RPGの身体能力を持ってやればわけはない。
しかし硬いなこいつ。これだけ撃たれてロケランも直撃して血は飛び出てるようだが、傷口がすぐに治りよる。
いや、ん?
「体が小さくなっていってるか?」
再生するとき質量を消費してるのか。そこは物理法則に従ってるのなんなん。たしかに他のやつは再生する敵に対して、どっから持ってきてるんだその質量…ってなることあるけど。
「グァオオオオオ!」
虚仮威しのような雄叫び。うっさいのでその口に手榴弾を二個ほどシュー。
喉奥で元気に爆発した。声にもならない声の悲鳴。いいね、その調子で黙ってろ。耳が良くなりすぎててね、静かだと嬉しいぜ。
ほれほれ、火炎瓶。よく燃える。くせえ。
懐に入りつつ、ダブルサブマシンガンで撃つべし撃つべし。
嫌がって踏み潰そうとするが…遅いね。ああ、あとそこ。地雷五個くらい束であるけどいいの? 俺素早いからもう安全地帯にいるんだけど。
盛大に脚をやられる化け物。流石に威力が相当だったからか脚がぐちゃぐちゃだ。
ついでに後ろに倒れそうになってるので後押しにロケランブッパ。
それだけじゃ物足りないのでゲームの装備変更を応用してロケラン高速ロケラン連射。ゲームの使用を利用したやつみたいになってるな…
ともかくバケモンはズーンと音を当てて後ろから倒れる。そこをNPCと俺が蜂の巣にする。
ロケランを永遠を打てばいい気がするが、こいつ生意気にも同じ武器の攻撃に耐性つけやがる。
銃なんて使ってる弾は少し違うとはいえ、そこまで変わらねえだろ。なんでや。
威力が高い武器に関しては体制の上がり幅が大きい。マグナムとかはゲーム補正なのか威力がめちゃくちゃ強いが、マガジンを使い切るころには他のに゙変えたほうが良いくらい耐性が上がってる。
因みにどうやって気づいたかって?
…勇者の目って性能が良いね…
こんだけ撃ってるというの死なんな。体は前にあったとき並にちっちゃくなった気がするぞ。それでも3メートルだが。
…そういやレーザーガン使ってないな。どうかなっと。
え…体貫通した。その勢いで切り裂くようにして上半身と下半身に分断された。この銃こんな強いの!?
初めっから使えば…いや、だめだわ。
俺がそう思った理由。それは、
「2体になっちゃうか…」
分裂した2つは再生して起き上がったのだ。
これもしかして倒すペースを上げる代わりに難易度上げるとかなんやろ…
NPCを狙う個体が出ないようにインファイトすっかぁ。
そう言いながら化け物の傍に行って2体のヘイトを稼ぐ。
「オラオラ! 2体に分かれたくせして1人に攻撃を当てることもできねえか!?」
そういながら上がりきった身体能力、そして戦闘における直感に任せて回避しまくりながら銃で撃ち抜く。ひたすらヘッドショットのみを決め続ける。
小さくなった影響か素早さは上がっている。上がってるだけだが。
それにしちゃNPCのエイム力すげえな…俺が側で暴れてるのに俺に当たる気配がない。そして化け物を蜂の巣にし続ける。
フレンドリーファイヤがないからいいか。
小さくなりながらもそれでもと俺に追い縋る化け物。ここまで小さくなると惨めだな。ここまで縮んでも粘るか。
「銃でやるより燃やしたほうがいいか?」
そう言って火炎放射器でやってみる。でかいときと違って全身が巻き込まれて燃える化け物(チビ)。
「ああ、最後はこうやって倒す…いや、ヒント寄越せバカ」
動きが極端に悪くなり、最後は燃え尽きて死んだ。
最後は悲しいくらいあっさりだった。そして周りで響き渡る歓声。フリー素材の音源かな?
よしよし、とにかく。
「終わったぜ…これで」
『ゲームクリア!』
「キタキタ! もういいやろ!」
そんなふうに俺が叫んだとき、
『ザザザ…』
「おい、待て」
おい、待ってくれ。
『プレイヤーネーム、此先暁人。プレイするはファーム。ゲームスタート!』
あぁぁぁぁぁ…
「嫌だァァァァァ!」
世界が崩れていく、そして真っ暗闇になった後。
「木の家、そして広大な…畑。そして牛やらの生き物たち…」
新しく現れた世界が俺にその存在を示していた。絶望をだけど。