生き延びろ! 1
ええ…
パチモンRPGゲームの世界をクリアしたと思ったら今度は銃の世界に飛ばされるとか…
ふざけてんねぇ…
いや、考えても仕方無し。なったもんはしょうがねえ。で、これモノホンの銃?
申し訳ねえが俺。銃自体の知識が全くねえんだが?
いや、分類とかはある程度は分かるが、銃の名称とかそのあたりがな…
これはライフル…スナイパーの方だよな? あんま自信はねえけど。
てか、のっぺりし過ぎだろ…スナイパーとわかればいいだろと、投げたかのような…カッコよさを捨てたような…
いや、俺みたいな知識なしには有り難えけど。でも使い方わかんねえんだ…
「いや、わかるな。これが安全装置にこれがコッキングをするための…なんでぇ」
いや、困らんからいいや。そういやリロードも…わかる。ここでマガジンを落とせんのか。なる…
そしてここに新しいマガジンを…
なんで?
「どっからいまマガジン取り出した? そしてさっき外したマガジンどこいった? 落としたなら地面にあるよな?」
…これゲームの仕様? リロードしたときマガジンどうなったの現象ですか?
「いやいや、てかマガジンに残ってるだろう弾はどうなって…」
そんな事を気にしたとき、眼の前に発生する残りの弾丸の表示。まるでゲームのごとく。
…そうゲームのごとく。
「おいおい…ここんところもゲームか…」
諦めるか。よし試しの試射しとこ。
RPG世界で身につけることを余儀なくさせられたスルースキルで持ってスナイパーを構える。
…スナイパーってこうじゃないよね。完全にゲームの凸砂だよね。現実で考えたら反動やばいやつよね。
「でも撃っちゃう。男の子だから」
銃の知識を学ぶのは面倒だからやらなかっただけで、銃を撃つのはロマン。それは男の子として持っている。
このスナイパーのマガジンの弾数は…6発。これは現実の中ではどうなのか知らんし、他のゲームもどうなのか知らん。俺FPSで酔い倒すタイプだし。だが、
「俺のゲームは雑。多分弾数も雑!」
そう言いながら弾を装填。引き金を引いて…撃つ!
そうすれば響く音、そしてあるのかもわからないほど小さな反動。
「…ほう。こんな感じ…いやいやいや、反動なさすぎない!? スナイパーよ!? 反動が強い銃だって知ってんだぞ! さすがの俺も!」
ど、どういうことだ。
いや、ゲームのキャラクターはとんでも反動の銃をコントロールして打ちまくってるからこんなもんなのか?
俺自身、ゲームの特性みたいなのが宿ってるような気がするし。
「理不尽だな、おい…」
そういうもんなのか…そういうもんなんだろうな…
そう思うことにして考えるのをやめた。そして弾の確認をする。気になることがあったからだ。
「FPSのゲームってさ。リロードするときマガジンに弾が残ってるのに減らないよね…」
そんな事を言いながらリロードする。
今度はマガジンがどうなるのかを目で確認。
「手元から消滅しよった。うそん。そしてどこからともなく出現して銃に…」
そして、気になっていることも確認できた。
「マガジンに残ってる弾。残ってるな…」
現実で考えたらマガジン分の弾捨ててるはずなんすけどね。うん。これ、ゲームだわ。
さてさて…うん…目的は?
こうして銃の操作をしてイジってだ。なーんもおこらん。RPGの世界では目的をいきなり言われたのによ。魔王倒せって。
このゲームでは俺は何をすれば良いんですかねぇ…
しかも森なんよ。なに? FPSのキャンペーンみたいなのないの?
…道っぽいようなそうでもないような、そんな獣道はあるけどさ。え、もしかして、これを進むん?
うせやろ…
RPGのような感じならいいけど、今俺が来てる服私服っぽいものよ…さっきまで着てた鎧無いのよ。
どこいった…着替えさせろ。
俺がそう唸った時、俺の着ていた服が一瞬にして前の鎧装備に変わっていた。
うそん。え、終わったんじゃないの、あのゲーム。もしかして能力とか引き継いでる? マジ?
俺は突然のそれに固まった。ファンタジーの格好に銃というミスマッチな格好で。
…オーケー。もう考えない。俺の身に降り掛かったのが何なのかわからないが、使えるもんは使ったろうじゃないか。クソが。
…魔法も使える?
「…ファイアボール」
ぶっ放される火の玉。吹き飛ばされる森の木々。そして大炎上。わぁ…
「ち、鎮火しておくか」
水の魔法で消しておく。
なんとも言えない光景が眼前に作られたが、無視して進むとしよう。
FPSねえ。ここから何が出るのやら。銃を使うゲーム。出てくるのが敵であったとすればお相手は人かバケモノかゾンビか。
なにが出てきても嫌だがな!
とりあえず要望としてはRPGでやったから似たようなのが出てくれるとありがてえくらいだ。次いでに魔法使えるし…今取り出したけど剣も使えるし…身体能力そのまんまだし…
足場の悪い森の中、土を踏みしめながら進んていった先で何やら音が聞こえてきた。それは…
「なんか…燃える音? それとこれは雄叫びと叫び声? イヤーな予感」
進み続ければ光が見え、そこには!
「パニックホラーのFPSだったのか…」
異形の怪物が人を襲い暴れる街が見えた。
うーん、なぜ森スタートで、これなんだ。ぐちゃぐちゃや…
どこか冷静な頭でそんな事を考えてしまっていた。
あ、ゾンビもいる。まさかの両面ですか。
あ、人が人を撃ってたりもしてる。全部乗せ止めーや。
「…とりあえず」
制圧!