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第5楽章 気付き

第5楽章 <気付き>



目が覚めるとお腹の痛みがなくなっていたので、今日から依頼を再開することにした。

準備を終え、家を出ると怜奈が待っていた。

「おはよ、海空。早く依頼受けに行こっ」

「そうだね」

そういって僕らは晴れ渡った空の中、宮殿に向かって歩き始めた。



宮殿に向かって歩きながら話し合った結果、僕らはまずそれぞれの能力を知り、

これまで一人で行動してきたのでクワイアとして大切なコンビネーションを身に着けなければいけないという結論になった。

そういうわけで、簡単な依頼の「アジリタ討伐」を受けることにした。




依頼の場所に到着すると早速、二体のアジリタを見つける。

アジリタもこちらに気付き、戦闘態勢に入る。

怜奈が僕の前に出る。

「海空の力は昨日十分見せてもらったから、今日は私が!」

そういって、詠唱を始める。

そして、火の玉が一体のアジリタ目掛けて飛んでいき、しっかりとしとめる。

もう一体がすかさず攻撃を仕掛けてくる。

か、怜奈は冷静に躱し、一瞬でアジリタの懐に入り込み

いつから持っていたのかナイフを右手に持ち、そのナイフで突き刺し戦いに決着をつけた。

怜奈の想像以上の身のこなしに、僕は固まっていた。

そして、怜奈に目を向けると、褒めてほしそうな目でこっちを見ているのに気付いた。

怜奈は褒められたい欲がすごいなと思いつつ、

僕は頭を撫でながら、怜奈を褒めてあげると、満足そうな顔をしていた。



さっきの怜奈の動きを見る限り、怜奈は前衛で戦い、僕がそれを後ろから援護するのが良いと考える。そのことを怜奈に伝え試してみようと提案してみると、

「分かった!」

と二つ返事で承諾してくれた。

怜奈は素直だなと改めて実感しつつも

この戦い方を試すために森を再び歩き始めた。






しばらく歩いていると、5体ものプリモの群れを見つけた。

怜奈と目を合わせ、頷きあう。

そして、怜奈はまだこちらに気付いていないプリモの群れに向かって走って行く。

プリモらが怜奈に気付いた時には時すでに遅く、怜奈は一体のプリモをナイフで仕留める。

しかし、すぐに残りのプリモが反撃し、一斉に怜奈に向かって魔法を放つ。

が、うまく躱す。

その後も、プリモは攻撃の手を緩めず、ばらばらに魔法を打ち続ける。

「どいつが打ってくるか分かれば簡単なのに」

と愚痴をこぼしながら避けている怜奈の言葉に引っ掛かりながらも

まず、この戦いを終らせるため、

僕は無詠唱で練習した魔法を一体のプリモに放つ。

おばさんに少し教えてもらった魔法を試してみようと思い

今の魔法と同じ要領で怜奈に身体強化の魔法を“シ”の音をイメージしながらかけてみると


「え!?」


と、怜奈が驚きの声を漏らす。

僕はその声に成功を確信し、笑顔がこぼれる。

怜奈も体の違和感を僕の顔を見て納得したのか、避けるだけだったが、速さを上げ

プリモとの距離を詰め、流れるようにプリモを倒していく。

今まで押されていたのがウソのように一瞬でケリがついてしまった。



怜奈がため息をつきながらこちらに歩いてきて

「戦闘中にいきなりああゆうことしないでよ」

「ごめんね、ついやってみたくなって」

「「つい」じゃないわよ、「つい」じゃ。

 こっちの気持ちを考えてよね」

「怜奈なら大丈夫かなと思ってね」

「身体強化の魔法にしては強化が強すぎた気がするけど」

「そうなの?普通にやっただけだけど」

「普通って」

とまたため息をつく怜奈。

「海空と一緒にいる時点でそういうことも想定しておかないといけないのね」

と、呆れたようにつぶやく怜奈に僕は苦笑いをするしかなかった。



それからは、宮殿に向かいながら遭遇した敵を倒していった。

僕はさっきの怜奈の言葉について考えながらも結論にたどり着くことはなかった。






宮殿に到着し、依頼達成の報告を受付のお姉さんに報告しに行く。

「「アジリタ討伐」お疲れさまでした

 プリモの討伐までありがとうございます

 こちら今回の報酬の800シリングです」

「ありがとうございます。またよろしくお願いします。」

「もう少しでお二人ともDランクに昇格なので頑張ってください!」

「ほんとうですか?!」

「「やったー!!」」

思わぬ報告に胸を高鳴らせ、僕らは嬉しい気持ちのまま報告を終え、

報酬を山分けして、帰ることにした。






帰りの帰路につきながら僕は再び怜奈の言葉について考え込む。

「ねえ、怜奈。魔法で感覚を共有できる魔法ってある?」

「感覚を、共有?いきなりどうしたの?」

「いや、なんとなく」

怜奈は少し「うーん」と考えた後

「あっ!聞いたことある」

「ほんと?」

「うん。おとぎ話の中だけどね」

「それって、どんな話?」

「えーっとね。。。。」

怜奈が話そうとすると


「海空君じゃないか!」

そう話しかけてきたのは

「村長、お久しぶりです。」

「そちらのお嬢さんはお仲間かい?」

「怜奈です。海空とはクワイアを組んでます。」

そう怜奈が自己紹介する。

「そうかい。二人とも冒険者として頑張るんだよ。」

そういって、村長は歩いて行った。

話しかけてきた村長に少し違和感を覚えながらも、

おとぎ話の方が頭の中を占領していたため、深く考えることはしなかった。

そして、僕たちも家に向かって歩いた。

僕らの歩く姿を振り向いて、微笑みながら見つめる村長に気付くことはなかった。





おとぎ話について話すと長くなるから、また明日ということになった。

調べたいこともたくさんあるため明日は、依頼ではなく二人で司書館に行くことにした。





家に到着し、今日あったことをおばさんに報告する。

お金も受けっとてもらおうとするがまたもや断られた。

僕はそのあとすぐにベットに横になり、眠りについた。


絶対音感の方がいらっしゃれば、ここの表現は違うなどの意見を送ってもらえると嬉しいです。

Copyright(C)2021-みっちゃん

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