遂にこの日がやってきた!
前々からクリムに頼んでおいたアレが届いたみたいだ。この日を待ちわびていた。皆をアッと驚かす大変身の道具だ。
「レオ様、頼まれたこちらの物達は、いかがいたしましょう?」
「おっ、やっと届いたんだ~。ずっと楽しみだったんだよね~。」
「はぁ、レオ様がこれらを本当に一体どうするのか...。頭の固い私には、聞いても理解できません。」
心の声が漏れてしまっているクリムを放置して、貰ったドレスと共に別室に移る。元女性だった私なら一人で着替えられるだろうと踏んだが、無理だった。ややこしくて、自分一人では着替えられない。仕方なく、クリムの所まで戻る。未だに少し放心状態のクリムに口の堅いメイドを連れてきてもらう事になった。クリムもうっかりしていたみたいだ。ドレスを着るには、手伝ってくれる人が必要になってくる。ロココ調っぽいドレスって事は分かったけれど、着方が分からない。
やっとのことで、メイドが来て全て手伝ってくれた。ドレスの下にコルセット付けたり、ガウンを羽織ったり、取り敢えずドレスを着る事が大変なのだと気付いた。着方について覚えるのは無理だと諦めた。一人でも着られる気軽なドレスが必要だと思った。色々考えていたら着替え終わっていた。
「やっと着替え終わったな~。長い。長すぎる。女装って、もうちょっと早く終わるはずなのに。」
「............。」
遂にクリムが無言になってしまった。まだ完成形じゃないから、無言になってるだけだ、多分。
これから、ウィッグの装着行います。ドレスに合わせて色々持ってきてもらった。今着ているドレスは、ブルーを基調としていて、袖がレースでひらひらしていて、胸元もレースが付いており、スクエアネックになっている。だから、髪色も少し暗いトーンの青にして、透明感を演出した。メイクは、こちらの世界で詳しいことは分からないので、メイドのお任せである。と言うより、日本に居た時に面倒くさがって、やってこなかったから、ほとんど分からない。まあ、元が良いので、なんとかなるでしょう。あまり塗らず、すっぴんメイクに近かった。
「こんなに美しい女性は初めて見ました。それが、王子様なんて驚きましたが...。」
「可愛いでしょ~。私ね、カノンって言うの。」
語尾にハートマークがしっかり付いている!隙あらば、色んな人を虜にしようと、企む。例え、女であろうと関係ない。同性、異性問わず、虜にしよう。
「はい、可愛すぎて、心臓止まりそうです。清楚系美人だけど、あざとさを持ち合わせていて、ズル過ぎます。」
「あ、そう言えば、君の名前聞いていなかったね。何て言うの?」
「私は、ルリと申します。」
「へぇ、可愛い名前だね。君、まだフリーなんだよね?私の専属にならない?」
「レオ様、急にそんな事を決めてしまってはなりません。色々と準備がいるのですよ。」
「いえ、準備など必要ありません。私決めました!カノン様の専属になります!!それで、これから先もお手伝いをするのです!」
クリムは頭を抱えているが、仲間は多いに越したことはない。何かあった時に大事だし。一番の理由は、着替えを手伝ってくれる人が早急に必要だったからなんだけどね。ただ、問題は、ルリの主がカノンであって、王子ではないということだ。まあ、それは良しとしよう。手伝ってくれる人を逃すわけにはいかない。
「じゃあ、この姿で、ちょっと王宮歩いてくるね。」
クリムに追いかける暇を与えず、ルリを連れて、王宮を周る。
ドレスの裾を持って、一回転したり、手で髪の毛をふわ~っと流したり、知らず知らずのうちに色々やっていた。その間、漫画でよくあるキラキラが飛んでいたことでしょう。
この行動が、私の未来を大きく変える事になるとは、今の私は気づかずにいた。
ギリギリでいつも生きていたい訳では無いのですが、締め切りを決めると、ついギリギリになってしまいます。しかし、決めないと、物語も途中で終わってしまうので、頑張っています。
ギリギリなので、内容がおかしい所もあるかもしれません。もしあったら、指摘ガンガンお願いします。