性転換ですか…!?
そんなこんなで、あれこれ考えているうちに、執事が呼びに来た。
「レオ様、お怪我はありませんか??扉を開けてもよろしいでしょうか?」
「今なんと??」
「ですから、お怪我をしていないか不安で不安で、お医者様も連れて参りました。」
医者の事より、気になる単語があったよね…??
「ううん、その前なんて?」
「ええとですね、お坊ちゃまでしょうか?」
「それだ!え、待って、ちょっと待って意味分かんない。少し考える時間頂戴。」
頭をハンマーで殴られたみたいな衝撃が走った。
びっくりだ。まさか性転換していたなんて…!
鏡で自分の今の姿を確認してみる。
割といい顔してるし、成長途中の背はおいおいで。
可愛い系男子の典型って感じ。
例えると最近デビューしたアイドルグループのあの可愛い子みたいだった。名前が出てこないけど…。丸顔で、眉は綺麗な形をしている。目はきゅるきゅるしてて、勿論二重。その上、まつ毛も長い。鼻筋は、やや丸み帯びていて、口元はあひる口みたいで、とにかく可愛い。ドレスを着たら、多分女にしか見えない。いや、多分所ではなく女に見えるな。
え、人生イージーモード突入ですか??こんなに可愛くしちゃって大丈夫?最高すぎるんですけど!
それより、性別が変わったら普通気付くだろ?と、自分のアホさ加減がエグすぎて、何も考えられなくなった。
後、普通に階段から転げ落ちて無事な訳が無いよね。体のあちこちが痛いけど問題は無い。あるとすれば、この身体が誰の物か分からない事。それだけ。
執事のクリムと医者のハーレー先生が私に付き添い、体の具合やあれやこれや色々聞かれた。
「体はいつも通り問題無いんだけれど、記憶が無くなったみたいだよ。」
2人して、顔を真っ青にし、陛下に何と申せばいいのか、とあたふたし、「死ぬ覚悟で御座います。」とか、訳の分からない事を言い始めた。
私の不注意だし、2人がそんなになる事無いのに。
「全然大丈夫だよ。記憶無くなったぐらいで、どうにもならないよ。記憶が無くなる前の情報は欲しいけどね。じゃあ、この事チャラにするから、私について教えて。」
「あの失礼ながら、《チャラ》とは、どういう意味なのですか?」
「あ、えっと、君達を許してあげる的な?ま、そんな事は、どーでもいいから、私について教えて。」
「承知致しました。」
と2人とも頷くと、色々情報を話してくれた。
「まずは、私、執事として、お坊ちゃまに仕えておりますクリムからお話させて頂きます。」
「はい、どうぞ。」
「レオ様は、このウルシェード王国の第2王子でございます。この国の陛下と王妃様の実の息子であり、王位継承権1位です。」
「ほぉほぉ、続けて。」
「今年、御歳5歳にして、聡明で、明るくーーーー。」
お世辞がダラダラ続いて飽きてきたので、仕方がない。話を切るか。
「はい、クリムそこまで!次、医者の…?」
名前が分からないのだから、仕方がない。首を竦めて、あざとポーズで乗り切る。
「では、変わりまして、医者をしておりますハーレーです。僕は特に王子様について存じ上げている事は御座いませんので、健康面だけ述べさせて頂きます。お身体の方は、他の5歳のお子様と変わりは無いと思います。また、特に病気なども無いので至って健康です。以上です。」
本当に言う事無いんだな。うん。何となく分かった。
その後ハーレーには下がってもらった。
この国の王子様で、頭も良くて健康で、可愛くて、完璧って事だね!
誤字脱字等、諸々訂正点などございましたら、指摘お願い致します。