プロローグ
一目見た瞬間から、僕は心を奪われた。
その美しい姿や微笑みや所作、全てが完璧でこの世のものとは思えない人だった。
輪郭は、逆三角型で、瞳はぱっちり二重で目も大きく、まつ毛も長い。鼻筋はスラッと通っており、唇の色はローズピンクでぷるぷるしている。髪色は、ホワイトブロンド、前髪がぱっつんで、くるくると巻かれた髪は胸辺りまでの長さだった。
子供とは思えない大人びた容姿に僕は驚いた。誰が見ても彼女を見れば目が奪われるであろうと納得するぐらいの美しさだった。
彼女は女神だ。
ああ、こんなにも美しく尊い人は居るのだろうか。
自問自答した所で無意味だった。
だって、今まで見た事が無かったから。
表すことが出来ない感情が僕の中で湧き上がった。
何だか分からない感情が心の中をぐるぐるしている。
愛しいような苦しいようなこの感情は生まれて初めてだった。
だからこそ、僕はこの感情を大事にしようと、心の宝箱に閉まった。
一生忘れないようにと。
しかし、そんな事を思っていたら、何故だか階段から転げ落ちていた。
誰かに押されたのか、はたまた自分から転げ落ちたのかは、真相は分からない。
気付けば、転げ落ちていた。
止まる事が出来ない。
そして、気を失った。
あれだけ大事にしようと誓った女神の記憶も、目覚める頃には、忘却の彼方に消え去っていた。
初めての投稿ですので、長い目でご覧頂ければ幸いです。
宜しくお願い致します。