表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
光の勇者と闇の処刑人 ~天才の弟が頼りないので、凡人の私が暗躍しなければならない~  作者: 結城 からく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/106

第41話 処刑人の標的

 私はその場で次の目標を考える。

 手に入れた資料を参考に、殺すべき標的を挙げていった。


 大半が中級か下級の魔族である。

 未だ王国各地に潜伏し、現地の魔物を従えて戦力確保を進める輩だ。


 状況によっては私が介入するまでもない。

 事前準備を怠らなければ、地元の騎士団でも撃退可能だった。

 一騎当千とはいかないまでも、それなりの実力を持つ者がいると形勢は安定するだろう。


 私もなるべく殲滅するようにしているが、辺境で手が回らない際は情報提供だけで済ませることもある。

 それでも解決に向かうことがほとんどなので問題ない。

 人間でも十分に勝利できる相手だった。


 標的として厄介なのが、人間側の協力者である。

 主犯格にあたるような存在がいるのは確信していた。

 絶対に逃がすつもりはない。


 ただし、その主犯格を殺せば解決するわけでもなかった。

 魔族の協力者は無数にいる。

 末端まで数えると、結構な規模になってしまうだろう。


 人間と魔族は相容れない天敵同士というのが常識だ。

 ただ、時として眼前の利益を優先する者がいる。

 それが協力者だ。


 私個人の調査力では全容を把握できていないが、王国の腐敗と魔族の侵蝕は大なり小なり繋がっている。

 これは間違いない。

 貴族の不正の裏には、魔族の影が紛れていたりする。

 そういった案件に何度か遭遇してきた。


 ある意味では魔族よりも厄介な存在と言えよう。

 表向きには権力を持っているので、合法的に裁くのが難しい。

 たとえどれだけ強力な騎士団がいても、雇い主である貴族には逆らえない。

 その構図が巡り巡って魔族の勢力拡大を許す事態になっていた。


(合法では裁けない悪を叩き潰す。それが私の仕事だろう)


 国内で危険度の高い魔族はだいたい始末した。

 まだ油断できない局面だが、ここからは協力者も始末していくべきだ。


 不正を暴くほどに魔族側の妨害が進み、情報も集まってくる。

 国の自浄作用にはもう期待できない。

 誰もやらないのならば、私がやるしかないのだ。

 その功績が、いずれ勇者であるリュースにも回ってくるはずである。


(そうと決まれば、さっそく攻めに行くか)


 私は洞窟を出て進む。


 国内の悪徳貴族と商人を一掃する時間だ。

 今頃、リュースはアイニスと帝国で鍛練を続けている。

 二人が戻ってくるまでに、王国を浄化しようじゃないか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ