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獣ヶ森でスローライフ  作者: ふーろう/風楼
第十二章

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タコ



 干物は大量に作ったので、翌日も干物料理。


 朝は炊き込みご飯に、アジ干物を焼いたもの、冷奴に菜っ葉のおひたし、テチさんと由貴には干物多めに。


 二人は続けての干物でも満足してくれて……朝食後の休憩時間に、テチさんが疑問を投げかけてくる。


「しかし、焼いたりして食べるならそのままでも良いんじゃないか?」


「んー……保存性を高めるっていうのもあるんだけど、旨味を凝縮出来るからね、美味しさが結構違う感じかな。

 食感も独特になるし、晴れの日にしっかり干すと臭みも消えるから、結構な違いになるかな。

 単体ではそこまで気にならなくても、サラダにするとかお茶漬けとかにしてくると、香りにも味にも結構な違いが出てきたりもするかな」


 そう俺が返すとテチさんは「なるほど」と返してくる。


「冷凍も出来なくはないけど、魚は露骨に味が落ちるからねぇ……干物にしちゃうのが無難かな。

 まぁ、あんなに良い養殖所があって、いつでも手に入るんだからというのもあるけど……せっかくの夏の晴れ続きなんだから、こういうのもありかなって。

 イカ・タコは冷凍でもい良いんだけど、それでも干す人もいるしねぇ……特にタコなんかは、干すと旨味がうんと上がって、それで炊き込みご飯を作るとすんごく美味しくて、普通のタコでやるのとは全く別の風味に仕上がってきたりもするかな。

 そのままでも干物でもどっちも美味しいから、好みの問題ではあるんだけどね」


「そうかー……タコ、タコか。

 ……タコも、色々美味しい料理があるよな?」


「ま、まぁあるけども……次はタコ料理? それともタコ干物の料理?」


「食べ比べがしてみたい」


 と、きっぱり言うテチさん。


 そっかー……食べ比べかぁ、新鮮なタコかぁ。


 あの養殖所なら手に入っちゃうんだろうけども……というかもう、あそこは養殖所とは言えない魔境に近いと思うんだよなぁ、普通なら養殖出来ない魚まで養殖しているし……海に浮かべた生け簀とかでしか出来ないようなのまで、普通に売っちゃっているし……。

 

 まぁ、お高いものでもないし、自分もタコ料理は大好きだ、どの料理も美味しく栄養もたっぷり……由貴が喉に詰まらせないよう気をつける必要はあるけども、タコミンチでも美味しい料理はたくさんある。


「分かった、とりあえず今用意してあるご飯が一段落したら、次はタコメニューを考えてみるよ。

 ……ただタコ干物を作るとしたら、やっぱりあれがいるかな、イカぐるぐる。

 ……あれを玄関先に置いても構わないよね?」


「ああ、構わないぞ」


 と、テチさんからも許可が出て、そう言うことになり……そしてテチさんは身支度を整え仕事へ。


 由貴もベビーカーに乗せて連れて行ってのご出勤となる。


 それからはどんなタコ料理を作るかと、悩みながら家事をこなし……一段落したところで、いつものようにコン君達が駆けてくる。


 最近のコン君達は、朝早く起きて、ご飯を済ませたなら勉強をして、それから我が家に遊びに来ているらしい。


 具体的には4・5時に起きてご飯や身支度などが終わったら10時か11時までお勉強、それから我が家に来て18時か19時くらいまで遊んだら帰宅して、お風呂入ってぐっすり。


 ……獣人エネルギーフル回転というか、俺だったらそんな生活、死んでしまうなぁという感じだけど、コン君達は全くの問題なし、疲れてもいないようで……成績も悪くないというのだから驚きだ。


 ちゃんと学校のようなものがあって、そこで定期的に試験が行われていて……まだまだ幼い、小学校レベルなこともあってか、コン君とさよりちゃんは毎回満点、良い成績を残し続けているらしい。


 そういった結果を残しているからこそ、コン君達は毎日好きに遊べているという訳だ。


 ほぼほぼ毎日我が家に来ているけど問題なし、それどころか成績もやる気も伸びているからと推奨されていて……ご両親の気質のおかげもあるんだろうなぁ。


 そのおかげで俺は毎日楽しく過ごせていて……いつものように手洗いうがいを済ませたコン君達が椅子に座ることで、いつもの料理タイムが開始となる。


 いや、今日は料理の前の雑談タイムからか。


「イカぐるぐる、買うことになったよ」


 開幕と同時に俺がそう言うと、コン君は目を丸くし、椅子に座ったまま両手を振り上げ、


「やったーーーー!!」


 の声。


 さよりちゃんはイカぐるぐるをまだ見ていないので首を傾げているが、コン君の態度から面白そうなものだとは理解出来たようで、ソワソワワクワクとし始める。


「ただし干すのはイカじゃなくてタコ。

 干したタコと干していないタコの食べ比べをしてみたいってことだから、色々なタコ料理するよー」


「タコ焼き!!! タコ焼き食べたい!!!

 あとあと、タコの天ぷらも好き!!!」


 俺の言葉に対しコン君は、食い気味に返してきて……タコが大好きなのだろう、いつも以上の興奮した様子を見せてくる。


 ……ああいや、でも、以前の夏祭りでもタコ焼きをたくさん食べてたっけ? いや、お好み焼きだったかな?

 

 まぁ、どちらも子供が大好きなメニューで、もうそろそろ夏祭りも近いという時期、楽しみにしていたんだろうし、食べたい気持ちが炸裂するのも当然のことか。


「だからまぁ、これからその辺りの買い物にいくよ、イカぐるぐるとタコと……タコ料理関連の材料かな。

 それからタコの干物作りをして、タコ料理の試作、夕飯作りが今日の予定かな」


 と、俺がそう説明するとコン君は、すぐさま椅子から飛び降りて、居間へとテテッと駆けていく。


 それからお出かけの準備を始め……俺とさよりちゃんの準備が進む間に、車のキーなどなど必要な物を集めてくれたりもする。


 やる気満々、早く早くと声ではなく態度で示してきて……賢くてもまだまだ子供な、らしい姿にほっこりとした俺は、なるべく待たせないように手早く準備を進めて車まで移動し……コン君達をチャイルドシートにしっかりと座らせたなら、車に乗り込み買い物へと出かけるのだった。


お読みいただきありがとうございました。



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― 新着の感想 ―
こういう面倒見のいいおじさんって、親戚に1人はいるよね
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