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獣ヶ森でスローライフ  作者: ふーろう/風楼
第十一章

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特別編 海外版書籍 第4巻発売記念SS『So You Want to Live the Slow Life?』 Vol4


 ある日の昼過ぎ。


 家事やら何やら、すべきことが全て終わって……何もすることがない空き時間。


 なんとなしに自室に移動してプリンターを取り出し、パソコンやスマホに保存していた写真を、写真用紙でもって印刷していく。


 データとして保存したままでも良かったのだけど、印刷しておけばどこかに飾ることが出来るし、アルバムなんかを作ることも出来る。


 それらを見て過去の出来事を懐かしむことは悪いことではないはずで……元気いっぱいの笑みを浮かべるコン君とか、子供用包丁に挑戦するさよりちゃんとか、色々な写真を印刷していく。


 するとプリンターの音を聞きつけたのか、居間で休憩していたコン君達がやってきて……俺の部屋一面に広がる写真を見て嬉しそうな声を上げる。


「あ! オレの写真だ!

 えっ、にーちゃんすげー! 写真も作れるんだ!」


「わぁ……本当の写真と変わんない感じなんですね、パソコンってすごいですね」


 それからコン君達は部屋の中に入ってきて、写真一枚一枚を手に取り、じっくり眺めて楽しんでいく。


「ちょっとコン君達どこー? って、うわ、なんだこれ、すごい数の写真!」


 そして遊びに来ていたフキちゃんも乱入してきて……3人が写真を眺める中、俺は次々と印刷を進めていく。


 そんな中である時期の……俺とテチさんの仲が変わり始めた時期の写真がスマホに出てきて、俺はそれを印刷して良いものかと一瞬戸惑う。


「あれ? なんで印刷止めてんスか? どんどん印刷しちゃってよ~」


 と、そこでフキちゃんがずいと乗り出してきて、スマホの印刷ボタンを操作し、プリンターが動き出してしまう。


「あっ……」


「えっ?」

「あー……」


「うわぁ~」


 そうやって吐き出された写真を見て俺とコン君とさよりちゃん、そしてフキちゃんはそんな声を上げる。


 それは俺とテチさんが付き合い始めたばかりの頃の、うかれていたテチさんと俺の写真だった。


 コン君達がいる時はそうでもなかったけど、二人きりの時は結構うかれていたテチさん。


 居間で座っている俺の後ろから抱きついて頬を寄せてきていたり、俺の手とテチさんの手でハートを作り出していたり、俺の首に尻尾を巻き付かせていたり。


 うかれ猛獣と化したテチさんは連日そんなことをしてきていて……ついでに自撮りやらもさせてきていて、そんな時期の写真が次々印刷されていく。


 そんな写真を見てコン君はよく分かっていないというか、ただ仲が良いなーといった様子で、さよりちゃんは微笑ましげな表情をしていて、フキちゃんはちょっとだけ引いていて……まぁ、恩師のこんな姿を見たらこうもなるか。


「まぁ、これは秘密ということで」


 と、そう言って俺はそれらの写真群をかき集め、机の引き出しへとしまっていく。


 そうしてその場はどうにか収拾したのだけど……後日、これらを印刷してしまいコン君達に見られてしまったことがテチさんにバレてしまい、顔を真赤にしたテチさんに全力で振り回されることになってしまうのだった。


 


お読み頂きありがとうございました


本日海外版書籍第4巻発売となります!


結婚式のあれこれとか、その後の描き下ろしいちゃいちゃとか

色々ありますので気になっている方はチェックしてみてください!


本編の続きはまた後日に

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