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獣ヶ森でスローライフ  作者: ふーろう/風楼
第十章

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特別編 海外版書籍 第3巻発売記念SS『So You Want to Live the Slow Life?』Vol3



 今日はコン君達が来る予定もなく、何かをする予定もなく……久しぶりに何もすることがない一日となっている。


 それでも家事はしなければならないし、完全に暇という訳ではないのだけど……それでも正午を過ぎる頃にはやることもなくなり、暇になってしまう。


 昼食も終わり片付けも終わり……特にやることもなく居間でテレビを見ていると、自室で作業をしていたらしいテチさんがやってきて、居間のちゃぶ台にノートを広げて作業を再開させる。


 それはどうやらクリ畑に関するものであるらしく、来年どの辺りに木を植えるとか、今現在畑に植えてある木がどんな状況かとか、そんなことをノートにまとめているようで……俺は邪魔にならないよう、リモコンを操作してテレビの音量を下げる。


 それから作業のお供としてお茶菓子を用意し、お茶を淹れて……ちゃぶ台に置いておくと、テチさんが手を伸ばしそれらを口にする。


 そうして作業を進め……俺は久しぶりにゆっくりするかとテレビを見て過ごし、そうやって一時間程過ぎた頃、作業を進めているテチさんがススっとこちらに寄ってくる。


 座布団を滑らせゆっくりとやってきて、すぐ隣に座って作業をする……が、落ち着かないのかモジモジとし始める。


 尻尾をゆらゆらと振って、それが俺に当たって……一体何がしたいのやら、俺もなんだか落ち着かなくなってしまっていると、テチさんは何かを思いついたような顔をし、こちらを見やり……そして手を伸ばし、俺の頭をぐいと抱きかかえ、自らの膝の上に置く。


 強制膝枕と言うべきか、よく分からない状況に俺が困惑する中、テチさんは満足げに鼻息を吐き出し、作業を再開させる。


 ……イチャイチャしたかったのか、俺に側に居て欲しかったのか……意図は謎だけども、とにかく満足したらしいテチさんは作業を進めていく。


 そして俺はテチさんの膝の上からテレビを見ることになり……テレビの内容が退屈だったこともあってかウトウトし始めてしまう。


 そのまま眠りについてしまって……気が付くと外の世界は赤く染まっての夕暮れ、どうやらかなりの時間眠っていたらしい。


 起き上がって周囲を確認してみると、テチさんがなんとも恥ずかしそうにしていて……そして来るはずではなかったコン君達が縁側に腰掛け、こちらをニヤニヤとした顔で見つめてきている。


 まさかずっと見られていたのか!? なんで起こしてくれなかったんだ!?


 なんてことを考えながらテチさんを見やるとテチさんは、すっと顔を反らし、何も言ってこず……どうやらあえてコン君達に見せつけた? ようだ。


 それともテチさんも眠ってしまってコン君達の来訪に気付けなかった、とかだろうか?


 後者の方が有り得そうだなぁなんてことを考えた俺は、とりあえず立ち上がり……コン君達の視線から逃れるために、


「と、とりあえず夕食の支度するから!」


 と、そう言って台所へと逃亡するのだった。


お読みいただきありがとうございました。


本日第三巻が発売!!


挿絵(By みてみん)


今回も素敵な挿絵がたっぷりですよ!


本編は明後日更新予定です!

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― 新着の感想 ―
[一言] コンくんがでけぇw
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