初陣!!
私は、保育士として8年もやっているので、
子どもとの関わりには、自信があります。
ですが、、、
今、目の前にいるスライムに、
どうすれば勝てるかはわかりません。
こんな薄暗い森の中、目の前には4匹のスライム
妻のフローラさんは、
後方で応援をしてくれて、
私のステータスが少し上昇はしておりますが、
私の、装備している短剣では、
スライと距離が近すぎて、、、
と、いうか、
怖いんです!!!!
まだ、冒険者になって二日目。
昨日は「楽勝じゃん!!」と
フローラさんに強気でしたが、
そりゃそうです。
モンスターと遭遇してませんし、
だから特に報酬もなく、
ただの夜道のデートをしただけですし。
他の冒険者の方がスライムを倒すところは、
何回か見たことありますが、
いざ、自分が!となると、
こんなにも足がすくんで、
動けなくなるなんて
思ってもいませんでした。
でも、目の前のスライムは、
いなくなってっくれません。
幸い、こちらから何かをしない限り、
スライムは何もしてこないので、
しばらく様子を見ることにしました。
「ちょ、ちょ、ちょっと、観察する!」
スライムから目を話せない私は
フローラさんの方を見ずに、
緊張と興奮を載せて言い放ちました。
声を出したからか、
少しづつ、落ち着いてきた私は、
左手で、木を拾い、
スライムに投げて見ました。
すると案の上、こちらに気付き、
近づいてくるのです。
しかし、ここでわかったのは、
木の枝でも多少のダメージを
与えられることがわかりました。
そんなに、
動きの早くないスライム。
ちゃんと落ち着けば
戦う方法や、スライムの行動パターンが
分かってきました。
「フローラさん!適当な石を見つけて!」
前衛の私は、
スライムの注意を引きつけながら、
妻のフローラに指示を出します。
「え?何個ぐらい?」
ここで、
フローラさんの良くない所が
出てしまいました。
ちょっと真面目で天然なフローラさん。
私は、割と緊迫した空気感で、
スライムと対峙しているんですが、
フローラさんは、どこか、
冒険者でいることにウキウキしているようです。
一応、私が振り向くと、
スライムとは距離があるのでフローラさんは、
ニコニコしてました(苦笑)
「持てるぐらいで良いよ!!」
そんな、私は、リスクと隣り合わせなので、
少しキツめに言うと、
やっと、その空気感を察してくれたようで、
やっと石を広い始めました。
4匹のスライムといっても、
連携して攻撃してくる訳ではないので、
序盤は木の棒を一匹のスライムに
集中させました。
スライムに慣れてきたのもあり、
こちらに近づいてきたタイミングで、
短剣を使い、刺すとたちまち、
倒すことができました。
残りは3匹です。
そうこうしていると、
フローラさんが石を持ってきてくれました。
そして、何より嬉しかったのが、
フローラさんが石を一つ一つに
簡単な魔法をかけてくれていて、
石を投げることで木を投げるのでは、
比べ物にならないくらいのダメージを
与えることができました。
石を2つ当てて、
ナイフで刺すことで一匹、
また一匹と倒すことができました。
残りは一匹です。
すると、また、
フローラさんの悪い所が出てしまいました。
「私もやりたい!」
もちろん目はキラキラしています。
せっかくの機会ですし、
経験なので、最後のスライムは
フローラさんに託すことにしました。
しかし、何回投げても石は当たらないんです。
流石に、私もイライラが溜まってきたので、
「俺がやるよ!」と
フローラさんには石に魔法をかけてもらい
私が、スライムを倒すことができました。
死骸のスライムから4つのスライムの核を拾い、
冒険者ギルドに渡しました。
たった、400エンの報酬ではありましたが、
この経験は400エン以上の価値があり、
初めて、2人で稼いだ
400エンの“経済力”。
「あち!これ、苦すぎない?」
400エンで買ったコーヒーを
飲みながらフローラさんを見ると、
ニコニコしながら
コーヒーを飲んでました。
私は、もう一口飲むと
苦くて、暖かくて
とても美味しく感じました。