プロローグ
「いや〜、ごめんね本当。もう、本当にごめん」
「もういいですって、大丈夫です」
初めまして、僕の名前は北澤祐也です。元現役高校生でした。しかし、今は神さまがミスをしてちょっと人生終わったらしいです。最初こそ「ちょっとミスちゃった、て、てへぺろ」とか言ってきたので激怒したものの今では落ち着いています。まぁ、腕時計で時間を何回か確認したら五時間ぐらいずっと謝りつずけられたら誰でもそうなると思います。
「何でもするから許しよ〜」
「許してますって、もう大丈夫ですって」
「う〜、本当に?」
「はい、もう気にしてません」
「本当?」
「はい、本当です」
「本当に本当?」
「はい、本当に本当です」
「本当に本当にほ「本当です」」
このやり取りも何回目だろう。こんな調子がずっとつずいてるのだから怒る気も喚く気途中からもうなくなってくる。何しろ、神さまの見た目が桃色の髪に和服を着た大人になったらきっと小野小町なんて目じゃないくらい美人になるんじゃないかと思わせる顔の幼女だから、怒鳴るのも気がひけます。小野小町は見たことないですけど。
それに、周囲は炬燵に蜜柑にお茶一杯で僕自身少し気持ちがほんわかしています。
「ん〜、でも〜」
「はぁ、じゃあ分かりました。僕のお願いを聞いてください神さま」
「聞いたら許してくれる?」
「許します、許しますって」
「本当!なんでも言って!」
とは言え欲しい物もなければ、やりたいこともないからな〜。どうしようか.......あ、そうだ。
「じゃぁ僕の願いは、もし次に生まれ変わる機会があったら今の人生より楽に生きたいこと、ですかね」
正直言って学校の成績も悪くはなかったけど勉強はそこまで好きではなかったし、遊ぶこともあるけれど、遊ぶか勉強かの二択だった。なら、本当になんでもいいなら楽に生きていきたい。っていうのもあるけれど、やっぱ幼い子が謝り続けるのは心にくるものがあります。早く終わらしたかったのが本音です。
「楽にてた生きたいかぁ〜.....うん!出来るよ!」
「じゃ、お願いします」
「分かった!」
やっと終わった。次の人生は何をするんだろう。勉強も楽に出来たらいいなぁ。
「それじゃあ、転生させるね!転生先は剣と魔法の異世界だから危ないこともあるけど。楽に生きれるようにしとくね!」
「え、剣と魔法の世界ってどういう____
「いってらっしゃい!後ごめんね!」
遠ざかる神さまの声を聞きつつ、僕の視界は白に染まり、意識が途絶えた。
読んでくれてありがとうございます。楽しんでもらえたら嬉しいです。
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