いや、これ番外編だと思ってもらっていいですよ。たぶん
そこからの二か月、過酷な日々が続いた。朝から晩まで魔法の練習。いやーほんと転生した意味ってね。
――王族パーティ 三週間前――
「もぉ~ムリだってぇ~」
「あきらめないでください。諦めたらそこで試合終了ですよ。」
「またどこかで聞いたような言い回しを。」
「いいじゃないですか、少なくとも、風木をゆするくらいはできるようになったんだし。」
「それだけだろ・・・」
ガサッ
「ん?何の音だ?」
ガサガサッ!
「敵か?」
「ここは王宮の庭だぞ。そんなことは・・・」
バーーン!
どうやらオオカミのようだ。ただし、目が赤い。魔物か?
「さあサティア様。腕の見せ所ですぞ。」
「そんなこと言ってる場合じゃねぇ!」
その時、俺の中で何かが動いた。
* * *
「サティア様、サティア様、起きてくださーい!」
「ん・・・。」
「起きましたか」
「えっとなにが・・・ってもう夜!?」
「あなた、魔法打てるじゃないですか!」
「え、いや、記憶がないんだが・・・何があった?」
「そうですね、あの魔物を私を三十メートル吹き飛ばす魔法で退治して、そのまま倒れましたよ。」
「?俺は魔法など打っていないが・・・あ・・・」
「どうかされました?」
「気絶する直前、なんか体に異変を感じたんだ」
これは、もしかしたら・・・。
「異能ですかね?だとしたらどのような能力があるか見てもらわねば。サティア様はここで待っててください。」
「あちょ、どこいくかぐらい教えろよ!」
それから二十分ほどったた頃、ドゴールはある人物を連れて戻ってきた。そう、あの科学者を。
「やっほー!ホントに魔女だったんだね!ってかサティアっていうんだ!よろしく!」
「・・・人格変わったな。」
「そりゃあんな研究所に籠ったら人格狂うでしょー!これがホントの私。」
「で、なんでこの子を?」
「それはですね、彼女の作品で、異能を読み取る機械がありましてね。」
「じゃさっそく見せてもらうよー」
どうやら俺の新たな異能は“マナ爆裂”のようだ。
「これはねー、残りマナを全部消費する代わりに、残りマナ×十メートルの範囲を爆撃するまほうっぽいねー。この感じ、あと三分早く魔物が来てたら、君んち吹っ飛んでたねー。」
「笑い事じゃねぇよな・・・。」
「ま、これを機に、魔法が徐々に使えるようになってくと思うよー」
「だといいが。それと、なんで水属性なのに炎魔法を?」
「さぁね?異能だからじゃない?だいたい、こんな魔法初めて見たし。」
「そうか・・・」
* * *
「おっしゃ!出来たよドゴール!」
「うむ、ついに水を操れたか。ならば、王族パーティの出席を許可しよう。」
こうしてようやく魔法を取得した俺は、どうやら、ほかの王族戦士と会うことになるようだ。