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あ、死ぬときってスッといくんだね
「じゃあ、明日までによろしく頼むよ。」
「はい!」
――俺は佐藤樹。23歳。大学を卒業して就職したこそが、生まれてこのかた彼女もできず、ぼんやりと新人サラリーマン生活を送っている。
「闇の炎に抱かれて消えろ!」
楽しそうに中二病全開で遊ぶ子供たち(これ怒られない?)。あんな頃に戻りたい。いや中二病なったことないけど。
「・・・はぁ」
ため息をつきつつ駅に入る
「まもなく 一番線に 電車が参ります」
――今日帰ったら何しようか――
そんなことを考えながら電車を待つ。
ドンッ!
その時だった、俺は誰かに線路上に突き落とされた。混んでいたし、わざとじゃなくたって、さすがにひどい。
電車の警笛が鳴り響く。
軽め――いやかなり強めの衝撃。
そして、俺は死んだ。