世界一の騎士
ティナがレクナス領に来て三日。寝る部屋が違うのだが……ティナは不満げだ。デレを隠し切れないツンデレっているよね。
「きょうは魔法の練習でもしたらどうだ?」
「異能でよくない?マナ使わないし、強いし。」
「はぁ……まったくお前って奴は……」
「お前出会って五日だろ。ほざくな。」
「うるさいな!」
「二人とも、朝食は静かに食べてください。」
「「ごめんなさい。」」
ティナはあれからずっと(怒ったとき以外)すました、議会場のときみたいな口調を続けている。
「魔法の練習かぁ……ダルっ。ねぇティナ、剣術見せてよ。」
「いいわよ。私の剣術、見せてあげるわ!」
さっきの訂正。ずっとじゃなくて、二人きりと怒ったとき以外だわ。
「じゃあいくわよ。」
ティナが剣を前にかざすと、剣から炎が噴き出た。
「おおおぉぉぉぉおまじか!すげぇな!」
「あ、あああありがとう……。」
安定のツンデレ、ありがとうございます。
「でもスキルを唱えずにどうやって?」
「これも異能よ。わたしは異能が二つしかなかったけど、どっちも最強クラスよ。」
「へぇ……俺もそんな異能欲しいなぁ……。」
「あなたは魔術師なんだからいいじゃない。」
「そうだな。でも無言でスキルを……。」
「魔術師は練習すればできるわよ。でもスキルばっか使ってんじゃ、その意味はないけどね。」
「確かに。じゃいっか。」
「……」
「なぁ、その異能を持ってる人って、ほかにいるの?」
「いない。私だけだ。それ故に、私は世界最強の騎士と呼ばれるようになった。」
「……すごいな……。」
その後もティナはそれはそれはすごいスキルを連発した。炎だけでなく、水、風なども起こした。しかし……。
「光のスキルはないのか?」
「……ない。」
「なんで?」
「光と闇の魔法は、一般の魔術師でも使えない。帝国始まって以来、光の魔術を扱えたのは、君を含めて二人しかいない。闇を扱えるのは、君だけだ。」
「そんなすごい属性だったのか……。」
「あぁ。今ビカサルは平和だ。しかし、じきに戦争が始まる。勝てるかは……君にかかっている。」
「俺そんな重要ですか……」
今は平和に民が暮らしている。しかし、もう平和は約束できない。そう思うと、とても心が痛んだ。




