第5話 テンプレは…??
俺は今、街の外壁の外で街に入るための列に並んでいる。街に入りたがる人は割といるみたいだ。
暇なので2人いる門番を鑑定してみると、どちらもレベルは15だった。
少し待つと俺の順番が回ってきた。
「じゃあ次の人。身分証を見せてくれ。」
「すみません。田舎から出てきたばかりで、身分証を持ってないのですがどうしたらよいでしょうか?」
「じゃあこのプレートを触ってくれるかな?」
門番が一見ふつうのプレートを出してきた。これは、犯罪歴がわかるとかそういうのかな??
一応ステータスは隠蔽で問題ないようにはしてるはずだけど、若干ドキドキしながら触ってみる。
「よし。問題ないみたいだな。ちなみにどこから来たんだ?1人で来たみたいだが、この辺は結構危険じゃなかったか?」
これってなんか疑われてる??
「この先ずーっと行くとスンダ村というところがありまして、そこから来ました。多少危険でしたが、腕には少し自信があるので。」
剣の柄を少し叩いてみる。
「そうか。スンダ村か。そりゃ大変だったな。仮身分証の発行には銀貨1枚が必要だ。」
「銀貨1枚ですね。どうぞ。」
「よし。これが仮身分証だ。これだと一週間までしか滞在できないから、それ以上いたかったら街で身分証を取得してくれ。」
「分かりました。ありがとうございます。」
「では、改めて。ようこそプレハの街へ!」
ふぅ。無事乗り切れたようだ。ちなみにスンダ村というのはでまかせでもなんでもなく実在する村である。ここから街道沿いに2日ほど行ったところにある。
というのが分かるのも、実際に2日かけて行って見てきたからなんだけど。何を隠そうあの冒険者2人組を見つけてから、4日経ってるし。
門番に疑われた時の保険のためだったけど、行っといてよかった〜
ともあれ、異世界に来てやっと街までたどり着いたぞ!
街の中はまあ中世風といったところだった。看板などの文字は問題なく読めるようだ。
さて、じゃあいよいよ冒険者ギルドに行ってみますかね!
少し歩くと冒険者ギルドはすぐに見つかった。街にとって重要な機関だからか、建物はなかなか大きい。
中に入ると、中央から右は受付がいるカウンター、中央は掲示板、左は酒場となっていてまだ昼間なのに結構賑わっていた。
さて、じゃあカウンターに並びますかね。受付は4ヶ所あって右から妖艶なお姉さん、可愛い猫耳少女、いかついおっさん、元気な少女(エルフのようだ)、となっている。
ちなみに1番人気はお姉さんと元気少女でその次はおっさんである。…猫耳少女、人気ないな。なんで?
あえてここは…
お姉さん
▷猫耳少女
おっさん
元気少女
会話は笑顔が基本だ!いくぞ!
「こんにちは!」
「…………用件は?」
えぇーめっちゃ塩対応だよ、この子。笑顔なのに!いや、よく見ると目は笑ってないわ。
「冒険者登録をお願いしたいのですが。」
「登録料銀貨1枚。ランクは基本F〜Aまで、その上は基本いないけどS、SS。Bから上に上がるには試験を受ける必要あり。受けられる依頼は自分のランクの一つ上まで。冒険者同士の揉め事にギルドは関与しない。勝手に殺しあってどうぞ。他に聞きたいことは?」
「いえ…大丈夫です。」
「そう。じゃあこれに記入して。」
淡々と話されると怖いよ!!
えーっと名前は、ハヤトだけでいいかな?それから戦闘スタイルは剣っと、スキルは、剣術とか書いとけばいいかな?
「出来ました。」
「じゃあこれに血を垂らして。」
差し出されたカードに一滴血を垂らす。なんかこわいから一応左手にしとこう。
「はい。これがあなたのギルドカード。再発行は金貨1枚必要だから失くさないように。」
カードにはでかでかとFと書いてあった。
さて、じゃあお暇しますか。俺が出口に向かうと…
「おいおい!お前みたいなヒョロッとして村人みたいな服装のやつが冒険者?笑わせんじゃねーよ。」
来たーー。さすがファンタジー。新人が絡まれる。これぞテンプレですな!!
「おい!ダズ!やめとけって。こいつの腰の剣を見てみろ。結構な業物だぞあれは。それに佇まいもどこか隙がない感じがする。絡むなら他の奴にしとけって!」
「おっおう。」
「いやー。俺の相棒がすみませんね。いくぞ!ダズ!」
2人は去っていった。って行っちゃうの!?絡まないんかい。意外と慎重なのね……
こうして冒険者登録は無事終わったのである。