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第16話 落としましたよ…??




「元気そうでよかった〜。ギルドで森に向かったって聞いたから来ちゃったよ!すごく心配した!」

「えっ、はい。」


ふむ。この子は剣士のリザか。


「おい、アリア。お前は雑用係なんだから、勝手に抜けていい訳ないだろ。」

「レックスの言う通りだ。せっかく俺たちのために働かせてあげてたのに。」


盾がメインのレックスくんと、斥候役のピーターくんだね。


2人ともなかなかの言い草だ。


ステータスは3人とも大したことないね。


「それにしてもお前、今まで気がつかなかったけど結構かわいいじゃねぇか。今なら俺の愛人ぐらいにはしてやるから、パーティに戻ってこい。」


「レックス!それはちょっと言い過ぎだよ!でも、私も戻って来てほしいな。友達として。」


いや、ちょっとどころじゃないでしょ。


「へぇ…友達、ですか。あなたが友達かどうかは分かりませんけど、私は今、友達よりも彼と一緒にいたいんです。パーティに戻るつもりはありません。」


「そんな!なんでよ!」

「言わなきゃ分かりませんか?私はあなた達のことが好きじゃないんです。」


「……アリアがそんなこと言うはずない。そこの君が言わせてるんだね。アリアに何をしたの!!」

「えーっと…。さあ?なんでしょう?」


俺に聞かれても。


「言えないってことね…。わかったわ。力づくでもアリアは取り戻す!悪く思わないでね。」


なんでそうなるの〜


「リザ。こんなEランクごとき、俺1人で十分だぜ。どうせアリアもこいつの顔が目当てだろ?だったらそのお気に入りの顔を俺が台無しにしてやるよ。」


完全に思考が悪役だね。


「いくぜ!うぉぉおお!!」


こちらに突っ込んで来て右腕で剣を振りかぶる。


スパッ


振り下ろす。しかし、攻撃は届いていない。


ぽと。


「あのー…落としましたよ?」



地面には剣を握ったままの彼の右腕があった。



「っ!俺の腕が!どういうことだ!?」


ええ。さぞかし混乱することでしょう。なぜなら、痛みも感じないはずだし、血も一滴もでていないから。



俺が王都に来る途中にやっていたことは採集だけじゃない。


実は、こっそり修行っぽいことをしていた。いや、1人だからこっそりも何もないけど。


スキルなんてそうそう増えないんで、今あるスキルを使いこなせるように、練習した。


具体的には、石化の魔眼とアイテムボックスだね。


石化の魔眼は、発動速度と精密さ。


アイテムボックスは、ものを取り出すスピード。


そして、それぞれをやり込んで完成した新しい技が今レックスくんに使った技だ!



まず、アイテムボックスから魔刀を一瞬で取り出す。


そのあと、刀で腕を斬る前に、斬る腕の場所を刀の幅ぐらい石化させる。


そして、その場所を刀で斬る。


いかがだろうか。つまり、切断面は石化してるわけだ。


この技を使えば、相手に痛みを感じさせない上に、血もでないから失血死の心配もないし、こちらの刀は汚れなくてすむ。


まさに良いことづくめ!!


また一つ、慈悲深い技をつくってしまったよ…


地味だけどね!俺にもド派手な魔法とか使えたらよかったのに…




未だに混乱しているレックスくんの左足を同じ要領で、斬り落とす。


後ろの2人も固まってるなぁ。石みたいに。さて、それじゃあ…


「まっ待ってくれ!俺はなにも殺そうとしたわけじゃない。ただ顔に傷をつけてやろうと思っただけで…だから…殺さないでくれ!」


分かってるよ?


「もちろん、そんなことしませんよ。お返しに顔に傷をつけるだけです。」


俺はホッとした顔をしているレックスくんに近寄って魔刀を振る。



頭が横に真っ二つになった。




後ろの2人は唖然としている。あっリザさんが復活した。


「そんな…レックスは人が勘違いしちゃうような酷いこともよく言うけど、本当は悪い人なんかじゃなかったのに!今回だって…なのになんで殺したのよ!!」


いや、あんな言い方するのは悪人だけだよ?こいつなに言ってんの?それに…


「そんなー。事故ですよ、事故。ちょっと傷をつけるだけのつもりだったんです。」

「そんなのうそよ!!」


「強いていうなら、最初に手を出したレックスくんの自業自得じゃないですか?」

「絶対に許さないわ。レックスの仇は私が必ず取る!!覚悟しなさい!!!」


そういって彼女は剣を抜いた。





△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽



「それ、燃やしといてくれる?」

「はい!喜んで!」


喜ぶんだ。


あのあと、リザさん達にはかえっていただきました。



土に。


斬りかかってきたし、生かしといても後で絶対めんどくさくなるだろうから、殺っちゃいました。


死体はアリアさんに灰にしてもらって土にまいて植物の養分にしよう。


君たちの死を無駄にはしない!


さて、帰るか。


ギルドに戻ってエリーさんのところに行って採集したものを納品する。


「そういえば、アリアちゃん。アリアちゃんを探してる人たちがいたんだけど会った?というか大丈夫だった?」

「はい。大した用事ではありませんでしたよ。もともと仲が良くもなかったので。」


「そっかー、よかった。なんか柄が悪そうだったしちょっと心配だったよー。」

「ありがとうございます。」


しれっとしてるね。


そのまま宿に戻る。今日は予想外のことがあったから、ちょっと疲れたな。もう寝よ。


「あの…ハヤトくん。今日はありがとうございました。本当は追いかけてくるんじゃないかって心配だったんです。でも、その心配も無くなって心がスッキリしました。また、ハヤトくんに助けられちゃいましたね。」


いや、俺に向かってきたからね。アリアさんに向かっていったらたぶん何もせずに見てたよ。


「だから、今日は抱きついて寝てもいいですか?」


ちょっと待て。何がだからなの?


「いや、それはちょっと…」

「抱きつくだけですから!抱き枕だと思ってもらえれば!」


どっちがだよ!これは言い出したら聞かないやつだな…


「分かったよ。好きにしていいよ。俺はもう寝るから。」

「私も寝ます!」


ったく、美女とまでは言わないけどそこそこかわいい子に、背中に柔らかいものなんて押し付けられたら俺ももう我慢なんてできな……あれ?できるな。なんでだ?<精神保護>の効果か?


そのまま、眠りに落ちた。





翌朝、お腹の下の方がなんか気持ちよくて、目が覚めた。あれ?足が動かない。


見ると、アリアさんが裸で馬乗りになっている。目が合うと、、


「スミマセン。我慢できませんでした!」


てへっ!じゃねえよおいぃぃ!!何してくれてんの!


「いや、だって大好きな人と同じベッドで寝てるんですよ?それに昨日のことも嬉しすぎてもう気持ちが抑えられなくて…。むしろ今までよく我慢したって褒めてもらいたいくらいです!」


今までって1日だろうが!普通、男女の立場逆だよね??


万一子供とかできたらどうすんのよ!


「あっ心配しないでください。もちろん避妊はしてますよ。そういう魔法があるんです。学園の授業で普通に学びます。」


あっそうなんだ。そんなオープンなんだね。


「私は子供なんかいらないって思ってます。だってハヤトくんの時間を取られたくないですから。」


……そんな考え方もあるんだね。


「初めてだったんですけど、大丈夫でした!むしろ……」


そんなこと聞いてない。


「俺の初めてがこんな形なんて…」

「ハヤトくんも初めてだったんですか!?嬉しいです!私が貰っちゃいましたね!!」


男女が逆なら捕まるよ!この世界に警察はないけど!


「私、決めたんです。これから、ハヤトくんの魔道具として働きます!」


抱き枕の次は魔道具?まあ俺は魔法が使えないから便利ではあるけども。


「燃料はハヤトくんの愛で!……冗談ですよ?もちろん私は冗談じゃくても構いませんが!むしろ推奨します!」

「まあ、その気になったらね。」


「あと、仲が進んだので私のことはアリアって呼んでくださいね!敬語も使わなくていいです!」

「分かったよ。アリアもタメ口でいいからね。」

「いえ、私はこのままで。」


あっそう。なんかこだわりあるのかな?



何はともあれ、こうしてアリアとの関係が(強引に)進んだ。


なんか素直に喜べない。








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