第10話 激戦…??
さーて、どうしようか。
種族:コカトリス
Level:35
HP:5000/5000
MP:1250/1250
スキル:<風魔法LV3><気配察知LV3><体術LV2><毒耐性LV7><俊足LV3>
ユニークスキル:<石化の魔眼>
コカトリスはでかい鶏みたいな魔物だな。風魔法を使ってくるみたいで、迂闊には近づけないし石化の魔眼も非常やっかいだ。
男2人女2人のバランスのいい冒険者パーティも苦戦しているようだ。平均レベル20後半ってとこだな。
正面から戦うのはめんどくさいし、共闘するのもあれだから、コカトリスが弱るか隙を見せたら、一気に横から決めるか…
冒険者としては御法度だよなぁ…でもなー
よし。俺は今だけ冒険者ではない。そう!ただの魔人だ!間違いない。うん…。
あとは、見られた時どうするかだな。きっと冒険者たちはプレハの街に帰るだろうし、なんか言われたりしたら面倒だしなー。
まあ、全身鬼シリーズの装備で、赤黒いし口元も隠してるし大丈夫かな?あとは髪色かな?黒髪けっこう珍しいみたいなんだよね…。勇者とか、その子孫ぐらいしかいないみたい。
というわけで、クイーンタラテクトの糸を自分の髪に合成する。
純白とはいかないけど、白に近い灰色になった!これで問題ないな!
他に気になるのは、冒険者の中に、
名前:アリア・マーシェル
種族:人族(魔人化中)
性別:女
年齢:20
Level:28
HP:3100/3100
MP:1000/1000
スキル:<火魔法LV2><水魔法LV2><魔力操作LV3><魔力感知LV2><詠唱破棄LV1><隠蔽LV2>
称号:(賢者の卵)
うわぁ。なんか魔人になりそうなやつがいるんだけど…
実際、
「うっ。はぁはぁ…。」
「アリア!?大丈夫?また発作が出たの?」
「だ、大丈夫。すぐ収まるよ…。」
「ちっ、肝心な時に使えねぇなおい!」
全然大丈夫じゃないっぽい。
「やばい。腕に石化を食らった!ダメージもでかいし、アリアを囮にして一旦下がるぞ!」
「そ、そんな!」
「ちょっと!それはないでしょ!」
「いや、それが最善だよ。」
結構、辛辣ですなぁ。
コカトリスはチャンスだと思ったのか、石化の魔眼を発動したようだ。目が青から赤に変わる。
対するアリアは火魔法で壁を作って耐えているが時間の問題だな。
介入するなら今だな。
コカトリスの背後に飛び込んで、斬りつける。突然の攻撃に、悲鳴をあげて振り向くコカトリスにさらに2度ほど斬りつける。
動かなくなった。よし、ちゃんと意識をとばせたようだ。そのまま、首を切り落として戦闘終了!
いやぁ、1人でやるよりだいぶ楽にすんだな。うん。
コカトリスの死体をアイテムボックスに回収する。
「あの…」
おっと、アリアさんと目が合ってしまった。
アリアさんはピンクのセミロングの髪にメガネをしている。メガネを外したら結構かわいいんじゃないか?
「助けてくれてありがとうございます!」
いや、横取りしただけですけど。
まあ、気分もいいしちょっとだけお返しするか。アリアさんに近寄っていくと、ビクッと少し怯えてしまったようだ。ごめんねー怪しくて。
座り込む彼女の頭に手を当てて、<最適化>を発動する。ステータスを見ると、
名前:アリア・マーシェル
種族:魔人
性別:女
年齢:20
Level:28
HP:3200/3200
MP:1500/1500
スキル:<火魔法LV4><水魔法LV3><魔力操作LV4><魔力感知LV3><詠唱破棄LV3><隠蔽LV2>
称号:(賢者の卵)
はい。魔人になっちゃいましたね。魔法系のスキルが軒並み上がったのはさすが最適化。
「これは…体の調子が…」
「ちゃんと隠せるように隠蔽のスキルはもっとあげた方がいいよ。」
とそっとアドバイスしておこう。優しいな、俺。
「おい!お前何者だ!コカトリスは俺たちの獲物だぞ。返せよ!」
おっとお仲間が戻ってきてしまったようだ。退散、退散。
「待ってください!名前だけでも…」
と、アリアさんが声をかけてきた。
仕方ないな…って教えるわけないよね。個人情報は大事にいくよ!
さて、さっさと1人になって戦利品を確認しなくては!