四話 第七部隊
マイケルの逞しい胸をソファから落とした。ゴトン!というすごい音がした。俺は気にしない。マイケルなら筋肉でどうにかなるだろうと思ってる。
身体を起こすが、まだみんな眠っている。朝日が窓から入り込んできている。俺はなんとなく、刀の性能を試そうと思った。
実験には壺を使った。インテリアとしてでかい壺が置いてあったのだ。俺は野太刀を抜いた。水平に持ち、壺に押し当てる。ゆっくり手に力を入れると、刀が何の抵抗もなく壺に浸透していった。ストン。斬れたはずのところは、言われてもそう見えないほど何も変わっていなかった。どこもかけてなどいなかった。切り口がピッタリとくっついている。すごい。
さて、もう一方の太刀はどうだろうか。抜刀しても見た目は普通の刀だ。まあ、野太刀だって見た目は普通なんだ。でかいけど。また壺に太刀をつける。押す。さっき斬った切り口をズレる。あ、まずい。急いで戻す。この刀は野太刀みたいに斬れる訳じゃなさそうだ。でも魔法剣なんだよな。まあいいや。今は防御用にでも思っておこう。長刀は防御向きじゃない。完全に攻めの武器だ。どんな硬い物体だって抵抗無く切断できるのなら、間違いなく攻撃の面では最強な気がする。防御面は最悪だろう。うっかりガードでもしてしまうと相手の切れた剣が飛んでくる。
野太刀の使いかたは攻めのみ。特に重装備の相手なんか良いんじゃ無かろうか。確実にガードする相手にはかなり強い。しかし避けられてしまうとこちらの不利だ。太刀の方は良く分からない。いたって普通の刀だ。とりあえず防御用。
実験を終える頃には、もうみんな起きていた。
「おはよーう」
「おはようハル。良い朝だね」
「あーー」
「ロザリンド、おはよう。眠そうだね」
「いてて、なんか身体が痛いな」
「おうマイケル。床で寝ると痛いだろう?」
ガシャン!!
突然窓が割れ、数人の男が侵入してきた。その中には昨日のナイフの男もいる。
「我が名はオルタス。王都防衛軍第七部隊隊長である。王都を守るため、貴様ら反逆者に鉄槌を下しにきた。覚悟せよ。反逆者に逃げ場など無い」
「なんだ?」
突然戦闘が始まった。
名前覚えられない辛い