表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お前ちょっと魔王ぶっ倒してこい  作者: 猫面党
第一章 魔王オーディン編
21/30

十六話 魔術王国アルベリート

 イグドラシルまでにこのまま真っ直ぐ向かっても後5ヶ月はかかる。それまでの食料などの衣食住の問題もある。そこでオルタスは思い出したように「魔術王国アルベリートへと向かおう。空間移動魔法のスペシャリストの知り合いがいる」と言った。もっと早く言え。

「ロザは空間移動魔法使えないの?」

「ワープでしょ?できないわ。物体を空間を越えて移動させるなんて高度な魔法、私には無理。訓練はもちろん相当魔力が強くないとできない」

「でも魔法ってイメージの具現化でしょ?」

「そうだけど、そうだからこそ得意分野があるのよ。私はバリアね。バリアの移動なんて芸当ができるのは私くらいなんだから」

 ロザはちょっと胸を張る。

「つまりね、物体を動かしたり、浮かせて移動したりなんてことならできなくも無い、けど、空間を越える移動は難しいの。移動先のイメージもしなくちゃいけないから、目に見える場所に移すのとは訳が違うわ。学校で習わなかった?」

「あ、いや、聞いたことある気がするな」

「もう、しっかりしてよ勇者様!」

「ハイハイ、じゃあアルベリートに行こう。案内してくれ」

「あ、でも大丈夫かなあそこ」

オルタスが顎をさすりながら言った。

「何が?」

「確かあの国は戦争中だ。五年前から」

「いいさ、行こう。真っ直ぐイグドラシルに行くより早いんだろ?」

 そういう訳で、俺たちはアルベリートに3日かけてやってきた。それまでの食料はどうしていたかというと、ハルが採ってきてくれていた。ハルは狩りが上手いようだ。どこで狩りを覚えたのか聞くと、「小さい頃から食べ物は1人で調達しなきゃいけなかったの、お父さんが『強くなければ生きる資格も無い』って言うから」だそうだ。ずいぶん厳しい父親も居たもんだ。調理したのは主にマイケルだ。びっくりするくらい美味しかった。ハルは肉じゃなく炭になってたし、ロザはそもそも美味しくなかったし、オルタスは味付け濃すぎて何の食べ物かわからなかったし、俺も塩胡椒以外の味付けできないし、マイケルが今後の料理当番だ。ちなみにそのマイケルは寝不足だ。

 アルベリートは周囲を全て壁で囲んでいた。モンスター対策もあるだろうが、おそらく防護壁だろう。敵の侵入を防ぐためのものだ。物見櫓や縦に長い長方形の狭間なんかがある。主力は弓か、銃はなさそうだ。銃なら狭間は三角形や丸い形をしているはずだ。壁の上にはバリスタがいくつも設置してある。―――あれ、なんで俺そんな事知ってるんだ…?城好きって訳でもないのに…まあいいか。目の前には巨大な門がある。今は開いているが、壁の外と内にそれぞれ門がある。石造りの外門はかなり分厚い。一メートル半はあるだろうか。内門と外門の間には役人らしき人が詰めている。武装した兵士も何人か居る。

 門を通ると役人に呼び止められた。

「どこの者だ。どこから来た。何のために来た」

 それにはオルタスが答えた。

「エルザ・ヒューストイに用がある」

「なんだと貴様、我らが大師長様に何の用だ!」

「へぇあいつ大師長になってたのか」

「大師長様をあいつ呼ばわりとは何と無礼な!」

 なんか言い争ってるな。あれ?ハルが居ない。さっきまで居たのにな。

 ハルを探して見回すと、目の前に突然女性が現れた。やってきたのではない。何もないところから突然現れたのだ。

「お!みっけた!」

 その女性は白いローブを纏っていた。金髪で丸い眼鏡をかけている。目はきれいなコバルトブルー。女性は振り向くと嬉しそうに

「オルタスじゃん!!久しぶり!」

 と叫んで抱きついた。

「エルザ!?や…やめてくれ離してくれ怖い」

 エルザは抱きついたまま離れずに

「やだやだやだー!」

 と言って首を振る。入国審査官は戸惑っている。

「だ…大師長様…!?」

 なんだこれ。なんだこの人。この人が空間移動魔法のスペシャリストなのか?なんだか不安な入国でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ