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幼馴染  作者: よしくん
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第六話   「亀裂」

翌日、学校に行くと香澄も教室にいた。とにかく香澄に謝ろうと

香澄に近づいていくと、香澄が俺のことをキッと睨みつけた・・・・


まだ相当起こっているらしい・・・


香澄の目の前まで行くとさらに香澄が怒っているのがわかる

全身から怒りのオーラが出ているみたいだ・・・


こりゃそうとう怒っているな・・・

しっかり謝らなくちゃ・・・


「香澄、昨日はごめん・・・」


「香澄を怒らすようなこと言って本当にごめん。俺が悪かった。」


何がいけなかったのかよくわからないまま、とにかく謝った。


「私がなんで怒っているか、わかっている?」


「いや・・・よくわかんないだけど・・・俺のせいだろ・・・」


なにを怒っているのかわからない状況で訳が分からずそう言ってしまった。

多分それにさらに怒ったに違いなく

「・・・そう」と小さく香澄が言うと次ははっきりとした口調で


「もう大丈夫です!!怒ってませんよから!!」


いやいや十分怒っているよ・・・


「本当にごめん」


何度も香澄に頭を下げていた。


「《早瀬くん》!!私は怒っていません。

        なのでどっかにいってくれますか!!もういいでしょ!!」


「香澄・・・」


俺は香澄の迫力に負けでその場から離れることしかできなかった。

自分の席に着き、今、香澄は俺のことよしくんじゃなくて・・・


早瀬くんってよんだよな・・・


なんで・・・急によしくんでなく早瀬くんになったんだ・・・

香澄に怒られるし、呼び方変わっちゃうし・・・


一体なんだかわけがわからない・・・

この日はもう授業を受けていてもまるっきり入ってこなかった。


頭の中は香澄が怒った原因を必死に考えた・・・でも答えが出てこない・・・

そのまま放課後になってしまった。


香澄はさっさと部活に行ってしまい話もできないまま

俺は自分の机で頭を抱えてう~ん・・・う~ん・・・と悩んでいた。

すると大河と剛が話しかけてきた。


「どうだった香澄ちゃんにちゃんと聞けたか?」


「そうだ!!結果教えてくれ!!早く知りたい!!」


なんだよ!!のんきな・・・

俺はそれどころでない状況になっているんだって・・・


「昨日聞いたんだよ。そしたらどういうわけか

   急怒りだししまって・・・・いまも全く話を聞いてくれない・・・・」


「なんだそりゃ???おまえいったいどういう聞き方したんだよ」


「香澄ちゃん怒らしたのか!!!

  どうすんだよ・・・これじゃ告白していいかわからないじゃん・・・」


俺は香澄が「だって私は・・・」って言ったことを

内緒にしたままあったことを話した。


なんだかこれは言ってはいけないような気がした・・・


「いまいち不可解だな・・・でもこれって好きな人がいるんじゃないかな」


「好き人がいてそれを由悠に突然聞かれたもんだから

          動揺して照れ隠しに怒ったってことじゃないか?」


頭を傾けた大河・・・俺はちょっと補足をした。


「でもあの怒り方は普通じゃないような気がする・・・」


そんな話を聞いてか剛が興奮し始めた


「好きなやつがいるってことはやっぱり俺のことかな。

             そしたら相思相愛、恋人関係確定だぞ」


「告白チャンスだな!!」


剛・・・舞いあがりすぎたぞ・・・その可能性は・・・俺薄いと思うぞ・・・

そう思っていると大河が同じように


「いやまてまて!!確かに好きな人がいるのは間違えさそうだけど、

            それが剛って決まったわけじゃないぞ!!」


「剛落ち着け!!興奮しすぎたって!!今一度冷静に考えてみよう」


「そうだね。」


その横で冷静さを取り戻そうと剛はじっと話を聞いていた。


「由悠の話だと好きな人がいるかときいた時表情が変わって、

           協力するって言ったら怒りだしたんだよな」


「そうだよ。俺、訳わかんねぇよ」


「あのさ・・・由悠・・・」


「なんだ?」


そう言いかけると大河は剛の方をちらっと見て・・・


「いや何でもない」


大河どうした?何が言いたい?訳わからないぞ


「どうするよ・・・」


いつも自信満々な剛だがこと香澄のことになるとまるっきり弱気になる。

いつもの自信満々はどこに言っちゃったんだよ!!


「まぁこれは香澄ちゃんに好きな奴がいることは間違いなさそうだな」


大河はそういうと、今度は難しそうな顔して俺の方ちらっと見た

大河・・・さっきから何なんだよ・・・剛見たり・・・俺見たり・・・


「思い切ってアタックしてみたらどうだろう」


「それは無謀すぎるだろ・・・」


「無謀だと思うか・・・」


「香澄ちゃんがそれだけ怒るってことは意外にやばい奴なのかも知れないな。」


「たとえばだよ、学校の先生とか、塾の先生とか好きになって、

       普通は付き合えない立場の人間かもしれないじゃん」


「確かにそれなら、応援されても相手の立場があるから問題になっちゃうもんな。」


「うぉ・・・そうなってくると俺が告白しても望み薄いなぁ・・・

         このまま片思いのままずっといるのかよ!!!」


「でも片思いのままいるのつらくない?」


「つれーよ・・・」


「思い切って告白して振られてしまえば、それで忘れられたりしない?」


「おいおい・・・剛に失恋を味わえっていうのかよ」


「だって、片思いのままじゃ・・・なんも変わらないと思う。

  でも告白すれば振られる可能性が99%でも1%は可能性があるわけだし」


そんなことをえらそうに言っている俺は・・・

考えてみたら本気で女の子を好きになったことが無い・・・

だから好きだっていう感情がよくわからない。


剛や大河が一目ぼれで女の子を好きになったって言われた時は

正直ピンとこなかった・・・


女の子を好きになるってどういうことなのだろ・・・

俺にはよくわからない。だから告白しちゃえとか平気で言えるのだろうか、


本気で好きになった子ができたら俺は告白できるのだろうか・・・

いろんな思いが頭の中をかけめぐっていたけど、

結局俺には好きになるってことがよくわからないから答えが出ない・・・


「まぁ由悠がそういうのもわかるが・・・

         振られた時のショックはでかくないかい」


「そうなんだよなぁ・・・振られた時のこと考えると・・・

  その後のことが怖くて怖くて・・・だから告白できないんだけどね」


その後は結局おんなじようなことを言っているだけで

話はまとまらず解散となった

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