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神縁  作者: 朝霧ネル
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最強、可愛くなる?

結局、葉山は「一旦みんなに相談する」という名目で――

智也の家へ向かった。

麟征は自分の家に向かうかのように、すらすらと歩みを進めた。


玄関のインターホンを押すと、叔母さんが出てきた。


「あら、夏海ちゃん!……え?……誰そのイケメン!?彼氏!?」


「ち、違います!!色々ありまして!!」


顔を真っ赤にして手をぶんぶん振る葉山。

麟征は状況を理解しないまま、玄関を見渡す。

その奥から、智也とこはくが顔を出した。

麟征は、ゆっくりと近づく。

そして、二人の前に立つと――


智也とこはくの頭に手を置く。


「麟征だ。二人とも、大きくなったな」


「……だれなのじゃ?」


こはくは手を払うが、麟征は、無言でまた置く。

また払う。また置く。


「しつこいのじゃー!!」


「……すまない」


智也は苦笑いしながら言う。


「おそらくですが、五神の方、ですよね?」


「あら……あなたが麟征さん?」


「そうだ、それでは、お邪魔する」


一歩、上がろうとした瞬間――

朱焔が走ってくる。


「まてまてまてーい!!お邪魔しますーやないねん!!なんでお前がいるんや!!」


「朱焔……いたのか」


「“いたのか”やないねん!!

ここはうちが先に来とるんや!満席や満席!!」


「予約が必要なのか?では、予約する」


「ちゃうわ!!」


その後ろから、静かに澪白が歩いてくる。


「それ、あなたが言う?麟征…きたのね…」


「……ぐぬぬぬ」


澪白は葉山の方を見る。


「葉山さん、どうしたの?」


「あ、あの、麟征さんが、私の家に住むと…」


「そうよ、あなたを守るため。

葉山さん、あなたが思うより、あなたの身は危険なの、だから、どうか我慢して」


「でも……両親にどう説明すれば……」


澪白は麟征を見る。


「麟征。私たちは神獣。形は変えられるでしょ?」


麟征は、はっとした顔をする。


「……そうか、この体が長いせいで、忘れていた」


光がふわりと包む。

次の瞬間――そこにいたのは。

少し大きめの、緑の瞳をした、妙に神々しい……犬、のようなもの。


「え……麟征…さん?」


澪白は冷静に言う。


「犬には見えないけど……“捨て犬を拾った”とでも言いなさい」


「ぶはっ!!なんやそれ!!!!ちっこいな~!」


次の瞬間。

澪白のチョップが朱焔の頭に炸裂した。


「いったああああああ!!」


「静かに」


「……夏海。これで解決だ」


葉山は、顔を覆った。


「なんでこんなことに…」


智也は苦笑い。

こはくと叔母さんは、しゃがみ込んで麟征をつんつんする。


「ふわふわなのじゃ」


「イケメンがかわいくなっちゃったわね~叔母さん好きよ~」


しばしの沈黙のあと。

葉山は、覚悟を決めたように深呼吸をした。


「……わかりました」


そして、麟征をそっと抱き上げる。


「いきますよ」


麟征は腕の中で、じっと葉山を見上げている。


「夏海。落とすなよ」


「落とさないです!!夜分に、失礼しました」


「ええなぁ〜、抱っこされとるやん!」



葉山は家に戻り

玄関のドアを開く。


「ただいま」


「おかえりなさ……い……」


視線が、葉山の腕の中へ。

葉山は覚悟を決める。


「えっと、その……捨て犬、拾って……かわいそうだったから…その…」


父も顔を出す。

そして二人は――

ぱぁぁっと顔を明るくした。


「まああああ!!なんて綺麗な子!!」


「……え?」


母は駆け寄る。


「この子、瞳がすごく綺麗!」


父もしゃがみ込む。


「おお……気品があるな……」


母はすでに撫で回している。


「今日からうちの子ね!」


「名前はどうする?」


(え、なにこの展開……どう見ても犬じゃないよね?

毛並みとか見てるの?緑だよ?そんな犬いないよ?

これが……神獣の力……おそるべし)


麟征は、葉山を見上げる。


「夏海。この家は落ち着くな」


「しゃべらないでください!!」


幸い、両親には普通の鳴き声にしか聞こえていない。


「もう〜かわいい〜!!」


「これは育てば番犬にもなりそうだな!」


(番犬どころじゃないよ……五神だよ?……最強と言われてるんだよ?)


「夏海。寝床はどこだ?」


「あとで用意しますから…!」


(なんで……なんでこんなにスムーズに受け入れられてるの……)

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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