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二章二十四話 クシュナ三回目4

用語説明w


チャンさん

情報屋の獣人のおっさん。大崩壊で家族を亡くし、教団への復讐のために動いている。情報収集、戦闘員のフォローと、縁の下の力持ち


エマ

元1991小隊の医療担当隊員。現在は、龍神皇国騎士団の医師として働く。医師免許を持ち、回復魔法も使える


クシュナ イスルタブ市

拠点アパート



それぞれの仕事を終え、俺達は帰還

一度、情報共有を行う



「えー、そんなん、そのまま逃げられて終わりちゃうん?」


アテナが、風の道化師を見逃したことに文句を言ってくる


「その可能性はあるけど、言っていたことは本当だった。いい情報源にはなると思う」


風の道化師が言った、神らしき教団の戦闘員たちの隠し拠点の場所

そこをセフィ姉に調べてもらったところ、どうにも全てが本当らしい


奴が教団を抜けたいというのは、本気の可能性が高い


そっちの方は、さっそくセフィ姉が手配した

近いうちにケリをつける


さすが、天下の龍神皇国騎士団

敵を見つけられさえすれば、武力は豊富にある

ゲリラ戦は、敵を見つけられないことが一番の脅威なのだ



「それで、そっちはどうだったんだ?」


「…見失った」

「それに人通りが多すぎて、追いかけるのは目立ってダメやった。途中でクシュナ軍に見つかって、錬金術師に攻撃を仕掛けて追って行ったんよ」



…まぁ、予想はしていた


クシュナ軍の数が多い

あの布教所で仕留められなければ、追跡は難しいだろう



「…それじゃあ、これからどうするかを決めましょ」

ミィが言う


「一度、情報収集をする。少し時間をくれ」

チャンさんが手を挙げる


「何か当てがあるの?」


「オーサが、いいネタがあると言っていたんだ。錬金術師に繋がる可能性があるってよ」


「へー…。時間は、どれくらい必要?」


「とりあえずは、二、三日って所だな」


「分かった。それまで、各自で情報収集にしよう。アテナとダナンジャはゆっくりしといて」


「了解ー」

「分かった」


俺達は、全員がベッドに倒れ込んだ




・・・・・・




次の日の朝



ダナンジャとアテナは出かけて行く


「どこ行くんだ?」


「奴の居所を掴むまで、我らの仕事はない」

「お散歩や」


「お前らも情報収集するんだ…」


「断る」

「嫌や」


そう言って、俺が止めるのも聞かずに出て行く


騎士ってのは、特権階級か?

勘違いしてるのが多すぎる


誰かが地味な下働きをするから現場ってのは回るってのに…




「おーい」

「こんにちわ…」


エマとスサノヲが拠点へとやって来た


「二人共、お疲れ」


「いやー、クシュナってずっと暑いんだよな」


「南国だから…」



この二人も、クシュナで情報収集をしてくれている

武器防具の職人ギルドと医療業界、情報源は多い方がいい



「クシュナ軍…、本気になってウロボロス…探してる…」

「あぁ、本気だぜ。それと、どうやら他国からの潜入があったって噂があるらしいんだ」


「他国?」


「カルノデアとゲルニト連邦。それに黒色からもだってよ」


「…」


カルノデアは、クシュナの南に接する大国

クシュナの政権は、カルノデア派と龍神皇国派で揺れているとか


ゲルニト連邦は、龍神皇国の北側に位置する

距離的には遠いため、ウロボロスの欠片という兵器をあわよくば奪いに

そうでなくとも、ウロボロスの欠片の情報を集めに来たって所か


クシュナへの干渉を強めているカルノデアの方が厄介そうだな


それと、黒色

無政府状態の国で、各国の犯罪者やテロリストが逃げ込んでいる地域


黒色が、というよりは、どっかの国が黒色の勢力を利用してクシュナで情報収集をしているって所だろう



「ミィ、この状況だと情報収集が大切になる。マキ組にも依頼を出せないか?」


「そうだね、お願いする。あと、ホフマンとビアンカにも」


「…いいと思う。使えるカード、多くていいな」


「バウンティハンター、ゴーストハンター、モンスターハンター。三つの仕事がいつでもできるのが、トライデントの売りだよ。ただ、今はモンスターハンターが弱いけど」

ミィが胸を張る


ミィの会社、トライデントの武器は人脈

どんな仕事でも受けられるのは強い


そして、クシュナで苦戦すれば、こうやって助けを借りられるんだ



スサノヲは龍神皇国へと戻る

エマは、俺達が負傷した時のために拠点にしばらく滞在してくれることになった


「それじゃあな、スサノヲ」


「おう。戻って来たら、またメンテしてやるから持って来いよ」


「分かった」


スサノヲを見送る


「エマも、新婚なのに悪いね」


「ううん…。私だけ…、遊べないから…」


「いや、新婚旅行くらい気を使わないでよ」


「うん…、ロン君と…旅行を予約したから…」


「惑星ギアのタカマグラだよね。いいなぁ、俺も行きたい」


ゴドー先輩がいる国だ


大丈夫かな、あいつ

新婚旅行中にスパー挑んでボッコボコに…

エマの回復魔法があるから大丈夫か


タカマグラは、観光地も多いと聞いた

新婚旅行、楽しそうだもんな



ピピピピピ…


「ん?」



PITが鳴る

チャンさんからだ


俺は電話に出る

「もしもし? チャンさん、どうした?」


「ラーズ、助けてくれ! 緊急事態だ!」


「何だって?」


「オーサがクシュナ軍に撃たれた。このままじゃ死ぬ、治療を…」


「…場所を教えてくれ。エマがいる、医者としての腕もいい。場所はどこだ?」


「すぐに送る。クシュナ軍に追われてるんだ!」


「…分かった。俺が引き付ける、すぐに向かう」


「待って…、電話代わって…」


エマが手を出す

俺がPITを渡すと、すぐに「撃たれた場所…出血…、既往症は…」などと聞いている


「ミィ、出るぞ。エマと一緒にチャンさんと合流、オーサの治療を頼む」


「わ、分かったけど…」


「俺が騒ぎを起こす。可能なら、治療と共に脱出を狙え」


フル装備を着込み、俺達は慌ただしく出て行った




・・・・・・




チャンさんから送られた座標は雑居ビルだった


状況は一目瞭然

警察とクシュナの軍がビルを取り囲んでいる


更に、狙撃部隊が対面のビルで待機


ちょっと、まずい状況だ



ボシューーッ!


ボシューーーッ


ボシューーーーッ!



チャンさんは三階の部屋にいた


そこから、スモークを全部撒いてもらう



ドッガァァァァァァン!



気が逸れたところで、ハンドグレネードを装甲車に投げつける

タイヤを破壊した



更に、ロケットランチャーをスナイパーの方向へ



ボシューーーッ!


ボッガァァァァァァァァァン!



ビルの上階が吹き飛ぶ

大騒ぎの中、ミィとエマが雑居ビルへと侵入に成功した


さすが、騎士の身体能力だ



後は、俺が引きつける



ドガガガガガッ!



警察車両に向って、陸戦銃で弾丸をばら撒く

俺は、ホバーブーツで一気に通りを走り去る



「逃がすな!」


待機していたのは、クシュナ軍の騎士が二人

それと、パワードアーマーが二人



パワードアーマーは、外骨格型のアーマーであり、外部動力によって怪力が出る

その分、装甲を分厚くでき、ジェットスラスターが付いているタイプは高速移動も可能

闘氣(オーラ)がなくとも侮れない性能だ



「騎士レーニエ! 我らにお任せを!」


「あいつは、あの時の…! 単独行動は禁止だ!」


レーニエと呼ばれたクシュナ軍の騎士

カトラスを使うあいつは、以前、俺とやりあった野郎か



今回は、更にもう一人の騎士

ジェットスラスター付きのパワードアーマー二体


巻くのに時間がかかりそうだ


頼んだぞ、ミィ…!




雑居ビルの一室で、エマは女スパイであるオーサの傷を見る


「オーサ、大丈夫だ! 仲間の医者が来てくれたんだ! 死ぬなよ…!」


「チャンさん…、これ……、情報…」


「ば、バカ、そんなのは生き残ってからだ!」


「情報は、絶対に渡す…、スパイの基本……」


「オーサ…!」


チャンさんは、オーサからメモリーを受け取る

自分が教えた通りのことをされたら、受け取らないわけにはいかない



「ここで…治療します……」

オーサの銃創を見ていたエマが言う


「えっ!?」


「このままじゃ…、間に合わない……」


「わ、分かった…。チャンさん、手術の補助を」


「お、おう」


オーサは胸を撃たれ、弾丸が肺を貫通している


エマが消毒液を付け、患部にメスを入れる


応急処置

エマは医師であり、外科手術と回復魔法の二つを使って治療を行う

どちらかだけではあり得ないほどの生存率を誇るのだ



その間に、ミィは逃走経路を探す


「電気が止められている…」


他に人の気配はない

騒ぎになり、出て行ったのだろうか


ラーズが囮になってくれた

だが、外の警察やクシュナ軍は、落ち着いたら調査のために入ってくるはずだ


ここにいたら見つかる


応急処置が終わったら、すぐに逃げなくてはダメだ



「…これだ、これを使おう」


ミィは、エレベーターを見つめた




龍神皇国周辺図 一章八話 クシュナ1

ゴドー先輩 二章十五話 結婚式の後で

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