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三章三十四話 錬金術師対策

用語説明w


ヤマト

龍神皇国騎士団の騎士で虎王の異名を持つ。特別な獣化である神獣化、氣力を体に満たすトランスを使う近接攻撃のスペシャリスト。ラーズの騎士学園時代の同期でパーティを組んでいた


エマ

ラーズと同じ、壊滅した元1991小隊の医療担当隊員。医師免許を持ち、回復魔法も使える。龍神皇国騎士団で医師として働いている。ロンの嫁さん


龍神皇国 中央区

騎士団本部



「フィーナ、ラーズ!」


「ミィ姉、ヤマトも」


俺とフィーナは、スーを連れて騎士団本部へとやって来た


本当は、新生児を連れ回すのは良くないらしいのだが…

忙しいため仕方がないと言い訳をする


今日は、クシュナの関係の作戦会議だ



「スー、ちょっと大きくなったでしょ!」


ミィが、さっそくスーを抱っこ

それを、ヤマトが覗き込む


分かるぞ


赤ちゃんって、始めて見ると、どうしていいか分からない

そのため、遠巻きに見る感じになるのだ



「小っちゃいなぁ」

「弱そうだな」


そんな感想を言うのは、ダナンジャとアテナ

赤ん坊なんだから当たり前だろうが



「それよりも、有名な虎王ヤマトか。クレハナの内戦での活躍は噂に聞いている」


「赤山龍ダナンジャ。隠密専門だったんだっけか?」


「あ、うちも興味ある」


虎王と赤山龍、黄渦竜が間合いを測る



「おい、やめろって」


「蒼天竜、黙ってろ」


「お前らは俺の獲物だ。俺が勝つまで負けるんじゃねーよ」


「何?」


「ヤマトは強い。負けるかもしれない勝負は黙認できないな」


「…!」


ダナンジャのスイッチが軽く入る


「ヤマトも、人の獲物を取るな」


「いいだろ、別に。ちょっと腕試し…」


「ダメに決まってるでしょ! あんたら三人が、腕試しで終わるわけないでしょうが!」


ミィが、スーを抱っこしたまま言う



「ふぁぁっ…」


「あー、ごめんね、スー。大きい声でびっくりしちゃったね」


そして、すぐにスーに顔を戻す


「三人って、うちも?」


「自覚ないバトルジャンキー、怖いわ」


「それじゃあ、ラーズとやるんよ」


アテナが、ヤマトを諦めて俺を挑発的な眼で見る



「アテナさーん。トランスを教えてください!」


「え、あれ、ピンク」


いい所に、ピンクがリュベン教官を連れて来た



「言っておくけど、もうすぐセフィ姉も来るからね。言うこと聞かなかったら、分かってるんでしょうね」


「…」


ダナンジャ、アテナ、ヤマトが黙る


うむ、この野獣共にはセフィ姉というヤベードラゴンを連れてくるしかない




「はぁ…はぁ…」


「氣力を満たせるようになってきたな」

ヤマトが言う


「でも、なんか違うんよなぁ」

アテナが首を捻る


俺とピンク、そして、リュベン教官はトランスを研究中


トランスは、肉体に氣力が満ちて黄色く発光する、氣功術の最上位技能に位置付けられている

しかし、ただ氣力を満たすだけではない


七つあるチャクラのうち、第三チャクラであるマニープラの解放が必要となる

位置的には、横隔膜付近にあるチャクラだ


チャクラとは、輪力の通り道であり経路

意図的に開放することで、身体性能が引き上がるが、その分、負担は大きくなる



「難しいな…」

「でも、やっと氣力の感じが掴める気がする」


俺とピンクの感想


「この難しい技能を、誰にも教わらず、簡単に開眼するのだから、やはり二つ名がつく騎士は凄いな」


そして、リュベン教官がまじめに感心している

ヤマトとアテナ、二人はやっぱり凄い騎士なのだ


「うちは、ダナンジャやラーズと違って、紋章の力なんて頼らへんもん。やっぱり、騎士なら独力やで」


「単に、紋章を賜れなかった負け惜しみだな」


「俺は、紋章が無くても負けなしだぜ」


「…」


「…」


アテナ、ダナンジャ、ヤマトが睨み合う

全員が戦闘狂、そりゃこうなるわ



「あ、セフィ姉。この三人をぶっ飛ばして」


「…っ!!」


三人がパッと振り返る


セフィ姉が優雅に歩いて来た



「どうかしたの?」


「…何でもありませぬ」


「セフィ姉の前でだけ、腹立つな、こいつら」


俺が横目で見てやるが、堂々と無視する

イラッとするわ



「現在、行っているクシュナでの秘匿ミッション。詳細は話せないけど、ターゲットについて意見を聞かせて欲しいのよ」

セフィ姉がヤマトとフィーナに言う


モニターには、巨大化した錬金術師の画像が映し出された



「これが、ラーズが出張でやりあったモンスターなんだ」

フィーナが俺の方を見る


「そうだ。厄介な性質を持っていて、呪いや毒、強力なドレイン効果を持っている」


「ドレインって、力を吸い取るってことか?」

今度はヤマト


「ああ、闘氣(オーラ)まで吸収されちまう。今回は、巨大化して更に厄介になった」


巨大な力で物理攻撃

こっちが攻撃したら、厄介な黒靄が吹き出して毒と呪い、ドレイン効果を撒き散らす


現状、やりあうには危険すぎる

遠距離からナパームを打ち込んで燃やし尽くすくらいしか方法が思いつかない


「ふーん、厄介だね…」


「俺なら、トランスでドレインにやられる前にぶっ飛ばす!」


「アテナの奥義とダナンジャの神髄、ラーズのフル機構攻撃で倒しきれなかったのよ。その後、全員がドレイン効果で死にかけた。無理だよ」


「…」


ミィに冷たく言われて、ヤマトが黙る

確かに、あれは力押しじゃ無理だ



「…俺に、一つ提案がある」


「え、ラーズ、何か思いついたの?」

「ほぉ、言ってみろ」

「下手な笑いはいらんで」


「お前らも考えるんだよ。…考えたのは、MEBの活用だ」


「何?」


ダナンジャの眉間にしわが寄る



「ラー兄。MEBなんて、そんなモンスターと戦ったら壊れちゃうよ」

ピンクが言う


「MEBは、あくまで奴が黒い靄になった時だ。最初は、俺達が闘氣(オーラ)で追い詰める。黒い靄の波が広がり始めたら、MEBで奴の本体を狙う」


「あー…、それなら、確かに…」

ピンクがうんうんと頷く


「そんな、ロボットなんかで何ができるんよ?」


「MEBは、闘氣(オーラ)を持たない人が、危険な作業を行うための乗り込み式ロボットだ」


MEBの利点は、コクピットが外界と隔絶されていること

毒ガスや高熱、時には水中や宇宙空間でも、パイロットの安全を確保しつつ作業ができる


土木作業や建設現場などで事故が起きても、MEBに乗っていたから無事だったという事例だってあるのだ



「ふーむ…」


闘氣(オーラ)以外にも、人類の兵器には凄いものがあるんだよ」


「えー…、でもさ、ラー兄」


「何だよ、ピンク」


「それだと、私がMEB…返さないと…」


「返してくれよ。俺も、操縦免許取るから」


「そんな簡単に買えないよ…。MEB、好きのに…」

ピンクが落ち込んでいる


「…」


え、何?

俺が悪いの?


そもそも、折角MEBを買ったのに、全然使えてないんだぞ

いいじゃん、そろそろ返してもらったって



「…それじゃあ、ラーズはMEBの免許をすぐに取りなさい。そして、ピンク」

セフィ姉が、ため息をつく


「え、何?」


「私がMEBを買ってあげるわ。どれがいいの?」


「え、本当!?」


ピンクが喜んでいる


マジかよ…

俺の買ったMEB、十億越えの超高額兵器だぞ…



「ピンクの活躍なら、ね。私個人で買ってあげる。だから、これからも頑張ってね」


「もちろん! セフィ姉、ありがとう!」


ピンクがセフィ姉に抱き着く



「それじゃあ、錬金術師対策はMEBを活用する方向ね。ラーズが肝だから、訓練をしっかりとしておいて」


「分かったよ」


「そして、次はマーリンの対策ね」


「マーリン…」


裏社会でコンサルタントとして活動する女

目的は不明なるも、錬金術師と行動を共にしているのは間違いない



「でも、結局、正体不明だったんでしょ?」

ミィが尋ねる


「それがね、エマが尻尾を掴んだかもしれないわ」


「えっ!?」


俺達全員が驚く


エマはクシュナには行っていない

産休だったからだ


しかも、スパイでも情報屋でもない


「そ、それなのに、エマが正体不明のマーリンの情報を?」


「そうよ。エマは、1991小隊でゼヌ小隊長と一緒に仕事をして学んでいた」


「…」


「だからこそ、ゼヌ小隊長の情報収集の方法を…。罠を張っておいたのよ」


「罠って…」


「もうすぐ、エマが来るわ。いい情報が引っかかっていればいいわね」






チャクラ 二章十八話 ヤマトの授業


次回、三章最終話

その後、四章準備中に閑話を投稿予定です


いつも誤字報告ありがとうございます

確認能力が欠如していて、本当に申し訳ないです

内容の齟齬等、ツッコミどころあったら教えてもらえると、泣いて喜びます!

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