交渉
飛行デバイスに通信を入れる。
「こちらはNOBA-3。当艦の管制圏内に入ってます。当艦へ訪問目的で有れば、貴官ら訪問目的を教えてください。」
「管制が生きているのですか。避難民の一時的な受け入れをお願いします。」
相手からも通信が入る。敵対するものでは無さそうだ。
しばらくして飛行デバイスの機体は静かに船に横付けされた。
中から女性が一人出てくる相手も一人のようだ。どうやら船内に入ってくるようだ。
ロイドの1体を向かわせ出迎えた。艦橋近くの広い一室に案内させた。
「ようこそ。我が艦へ。と言っても間借りしているような物なのだが。。」冴えない挨拶である。
「こちらこそ、受け入れ感謝します。もしかして、あなた一人?」
「当たり、実は私も昨日たどり着いたばかりなのだよ。ようやく船の機能もここまで回復させた」
「良ければ色々と協力をお願いしたい。私の名はケイン。あなたは?」
「ミリア。助けて貰うつもりでいたけど当てが外れたかも。」素直な意見だった。
ケインは取り敢えず状況を話してみた。
自分はドームの惨劇から逃れる為にここへ来た事など。
ミリアも同様で別なドームでも暴動から戦闘状態に入り危険を感じた為一旦ドームを離れたとか。ただ行く当てもなく彷徨っていたらこの当たりに流れ着いた感じらしい。
また、当初は仲間も居たようだがミリア達を逃がす為時間稼ぎの囮になり別れたとか。
ただ有難いのは食料を大量に保有しているようだ。
数日経てば船の機能が落ち着き、食料も自前で調達できるようになりそうだが、繋ぎの間、食料を分けて貰えると助かる。
彼女と交渉し互いに強力し合う事に合意した。
ただ、この船、二人で扱うにしても広い。複数体のロイド達がサポートしてくれるので運用は出来そうだが。。
それと拾ったシステムのルナックに付いても少し説明をした。
この船を実質的に支配しているのは恐らくルナックと呼んでいるユニットであろうと。
危害を加えて来る事は無いので心配する事も無さそうだけど色々と干渉はしてくる。
ただ、俺の事を主人と登録しているせいか彼女とは対話をしてないようだ。
兎に角ミリアとはここを拠点にしてしばらく行動を共にする事とした。