接触者
ようやく喋るマシンの登場です。ARにも会話機能を付けたかったけど被るので我慢でした。
船が機能を取り戻し管制制御が出来る様になったので広域の状況把握も可能になった。要はレーダー機能による監視だ。他にもルナックのコンピューターが動き始めるらしい。今はロイド達と対話を始めた様だ。しばらくするとルナックのシステムがARや俺のライトアーマーへの通信経路へも侵入してくる。
「私はルナ008。ルナックのオペレーションシステムです。これより貴方をパイロットと認識し有意提言による支援を開始します。」バイザー越しにルナックから通信が入る。どうやら俺はルナックの操縦者になるらしい。しかしあんな未完成の機体どうやって扱うんだろう。見るとARもルナックの傘下に入っているようだ。
船のコンピューターを始め機能の多くはルナックに掌握されていた。通信機能が生きた為かルナックは現在多岐に渡る情報の収集と整理を開始しそちらに集中している。
「ルナ008。君をルナック、ハチどう呼べば良いかな。」
「どちらでも構いません。自身と思われる言葉には反応できると思います。」なるほど結構賢いのかも知れない。
「情報を集めていたようだけど。都市の近況など分かるのかな」
「現在、ここNOABを中心に4つのドームを認知してますが、いずれのドームも戦闘状態が続いている模様です」
「暴動が起こった理由は分かるかい。」
一般的に暴動が発生する要因は複雑で多岐にわたります。暴動が発生する理由は地域や国によって異なることが一般的ですが、以下は一般的な要因のいくつかです。
1. **政治的な不満と抗議:** 政治的な決定や政府の政策に対する不満や反対が暴動の原因になることがあります。不公正な政治体制、腐敗、権力の乱用などが要因となります。
2. **経済的な不平等:** 貧困や経済的な不平等が広がると、人々は生活の改善を求めて抗議活動を行うことがあります。高い失業率や低賃金などが要因となります。
3. **社会的な不正:** 人種差別、性差別、民族対立などの社会的な問題が不満の原因となり、これが抗議や暴動のきっかけになることがあります。
4. **環境変動:** 環境の悪化や気象異常が、生活条件の悪化や資源の不足を引き起こし、それが社会的な不安定を招くことがあります。
5. **政治的な混乱:** 政治的な混乱や不安が、暴動の原因となることがあります。政府の崩壊や政治的な空白が、混乱を招くことがあります。
ただし、これらの要因は一般的な傾向であり、具体的な状況にはさまざまな要因が複雑に絡み合って影響を与えています。今回の場合可能性が高い暴動の背後は社会的、経済的、には中央政府を失うと言った政治的要因が強く、次いで星間連絡など機能しない為、食料を始めとする日用品など物資の不足が強く影響したと思われます。
「いつ頃、今回の暴動は治るかな」
暴動が収束するまでの期間は一概に言えません。これは各事件や状況に依存し、多くの要因が影響します。収束までの期間は、暴動の原因や規模、政府の対応、抗議活動の性格などによって異なります。
一部の暴動は比較的迅速に収束することがあります。政府が適切な手段で抑制し、抗議者との対話や問題解決に努める場合、暴動は早期に収まる可能性があります。また、一時的な社会的な緊張が原因で発生した場合、その状況が解消されると収束することがあります。
しかし、根本的な社会的不満や構造的な問題が背景にある場合、収束にはより時間がかかることがあります。政府の対応や政治的な改革が必要な場合、それが進むまで収束が難しいことがあります。また、抗議が国際的な影響を持つ場合、外部の要因も影響を与え、収束までの期間が長引くことがあります。
状況によっては、一時的な騒動が何度も再燃することもあります。長期的な解決には、根本的な社会的・経済的な問題への対処が必要となることがよくあります。今回は仮の政府や統率機関の形成が鍵になりそうです。
「食料問題は解決するかな」
ドームに於いてはエネルギーについては自立しており補給なしでも長期間での運用は可能です。水資源についてもこの惑星上であればいくらでも調達可能。水とエネルギーの問題は解決しますので秩序等の機能さえ戻れば食料の自給自足も可能になるかと推測します。
またこの船内に於いても食糧プラント機能を取り戻しつつありますので食料の調達は不要になるかと思われます。
「インフォメーション:こちらに接近すると思われる機影を確認しました。」ルナックが告げてくる便利だ。
俺は船の制御室へ移動し複数のパネルを確認する。機影から判断すると対象はAR程度の小型の飛行デバイスと思われる。しばらくパネルを眺めていたが真っ直ぐにこちらへ向かう進路を取っている。
初の訪問者だ。どう接触してくるだろうか。こちらもどう出るべきか。思案しているとルナックから通信が入る。
「有意提言:対象は中型のエネルギー兵装を装備してますが機体自体を傘下に納める事が可能です。」そんな事ができるのか。取り敢えずは接触されても悪い影響は無さそうだけど俺はルナックの方に脅威を感じていた。