第33話.濃ゆすぎた週末を終えての学校生活
※2023 8/22 少し加筆しました。
「はぁ……学校めんどくさいなぁ……」
もちろん、独り言である。
2日連続の大型コラボ配信も終わり、休憩するまもなく学校が始まった。まぁ、今週頑張ればGWに入るからまだ頑張れるけど。うちの学校は、なるべく連休になるように日付調整してくれるからありがたいんだよね。
それにしても、先週末はすごかったなぁ……。
土曜日には大人気VTuberのみーちゃんとのコラの配信、日曜日は昼からミックスライブ本社まで行って、夜は大人気の4人とのコラボ配信でタトワンさん登場。
いやぁ……今日死ぬのかな……? ほんとにそのレベルで運を使った気がする。
ただ、金曜日まではゆっくりできるらしい。学校もあるしGWに頑張って貰う必要があるから、とのこと。
絶対忙しいんだろうねぇ……。
そんな年寄りじみたことを考えていると、教室到着。
僕は、いつもどおり人が少ない教室の後ろのドアを開け、誰とも関わらないよう静かに主人公席に向かった。
「よう、凪! 昨日はおつかれさん!」
それを祐希が見逃すわけがないですよね〜。
「朝は静かに過ごしたいって何回言ったかわからない祐希くん、おはよう」
「朝から皮肉がすげぇわ。まぁ、そう言わずに! 廊下でみのが待ってることだしさ!」
「え……?」
なるべく人と目を合わせたくなくて、下を向きながら登校してきたから全然気づかなかったや。
廊下に目を向けると、こちらに笑顔で視線を向けているみのがいた。
……なんで今!?
なんで廊下に人が多い朝に来るのか考えながら、すぐに廊下に向かった。
「え、天使が廊下にいるじゃん」「え、マジで?」「どうしたのかな……」「え、吉村くんに用事があるの……?」「なんか前もそうだったよな……?」「なんで吉村くんだけ……」「みんな、そういう事言ったらだめだよ?」「早乙女くんがそういうなら……」「まぁ許してやろう」
早乙女くん、ありがとう……!
早乙女 翔。いわゆるクラスのリーダー的存在だ。
イケメンで運動神経抜群、誰にでも優しくてモテる人ランキングがあれば堂々の1位になるような人である。ちなみに、僕とは小学校からの付き合いだよ。だからこそ、今もこうやってさり気なく助けてくれる。
まぁ、そんなことはいいんだよ。
「みの、どうしたの? 校内だったら目立つからチャットでもいいのに……」
うちの学校は、校内でのスマホの使用が認められてるからね。授業中はさすがに没収だけど。
「そうしようと思ったんですけどね。あの時、祐希くんとは連絡先交換したんですけど、凪くんとはしてなかったので……」
「あっ……」
目立つ原因作ったの僕じゃん。




