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7話


「クソッッ!!!」


 ダン!とロビンは怒りに任せて壁を殴りつけた。


「何故だ! 何故側近から外されるんだ!」


 ロビンは納得していなかった。

 確かに、最近の自分は不真面目だったと思う。


 しかし、たった一度のミスで切り捨てるなんて普通あり得ないだろう!

 ロビンは心の中で叫ぶ。


 ロビンは苛立ちを抱えながら自分の身に振りかかった悲劇を嘆いた。

 その時、ロビンはある違和感を抱いた。


「いや待て。何かおかしくないか?」


 ロビンは勘違いし始めた。

 ルイスはロビンに対して「そろそろ戻ってきてくれ」と何度も忠告していた。だが、ロビンはそれを面倒臭がっていた。


 完全に自業自得だ。


 しかしロビンは見当違いの違和感を、卓越した妄想力により膨らませていく。

 なぜ、ルイス王子は自分を冷遇するようになったのだ、と。


「ルイス王子はあんな人物ではなかった。もっと懐の深い人物だった。なぜあんな急に冷酷になってしまったんだ……」


 ロビンは考える。


「ルイス王子が変わってしまったのか、それとも……」


 あるいは、誰かにロビンを切り捨てろ、と言われたのか。


「っ……!」


 ロビンの頭に、ある人物が浮かび上がった。

 最近ルイス王子に接近して、それでいて自分を陥れるような恨みを抱えている人物。


「そうか……! そうか! お前かメアリー!」


 ロビンは確信した。

 事実とは全くかけ離れている妄想を。


「お前がルイス王子に僕の悪評を流したんだな! そして復讐のために側近から外すように進言したんだ! そうに違いない!」


 近頃やけにする必要のない生徒会の仕事をしていたし、ルイス王子も側近にメアリーを推すと言っていたから、確定だ。

 ロビンは散らばっていたピースを次々とはめていく。


 ロビンの怒りはより一層増した。


「醜い嫉妬で僕を陥れ、ルイスにまで近づくとは……絶対に許さないぞ! メアリー!」


 ロビンは憎しみの篭った声で唸る。

 もうすでに、ロビンの頭にはメアリーへの復讐しか無かった。

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