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魔術師、異世界をソロで往く 帝国編  作者: 迷子のハッチ
第7章 終わりの始まり
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第63話・1 帝都脱出(1)

帰って来たカスミは、大使館でこれからの準備を始めます。

 傭兵カスミに的を絞っての拘束命令は、敵(魅了男のパーティー)の言い出した妨害工作の一環だろう。

 私が帝都の傭兵ギルドへは一度も顔を出していない事を知らない彼らとしては、傭兵登録して仕事をしているからには、のこのこと傭兵ギルドに来た所を捕まえるつもりなのでしょう。

 大使館の人達と話し合い、私は道中考えていた帝国の取る幾つかの方法を話した。


 先ず、帝国の狙いを突き詰めると長命の因子である神格を持つ者との間に子を設ける事延いては長命の皇帝を作り出す事が本命だと言える。


 そのため長命種族の国、ヴァン国をターゲットに婚姻と言う誰からも文句のいえない平和的手段を取って来た。

 ただし、この辺り闇に隠された誘拐や拉致、監禁などが多くあると噂がある。

 事実、この手の犯罪が表ざたになり、潰された帝国の貴族や皇族は多い、それこそ帝国の礎を作ったとされるネの尊族のネーコネンとやらも含めて、過去にはセルボネ市のルボネ侯爵とかもね。


 最近では、どうもヴァン国の中に闇ルートが出来て諸侯に斡旋する段取りが出来つつあると聞いたことがある。

 これは、皇公侯伯の高位貴族に側妃として長命の種族が多く娶られていて、何処から連れて来ているのか、疑問に思われている事から推測される。


 この辺りまではヴィラ大使やバラン代理大使なら知っているだろう事でもあります。

 特にエルフのヴィラ大使は日々劣情交じりの目で見られ怒りを面に出さない様、苦労されているとお見受けします。

 (火球砲の作成依頼の時の高笑い忘れられません by小姉)


 さて、この件を踏まえて、帝国の取る幾つかの方法ですが。


 一、私を狙う、これは今行ってる通りです。

 二、ヴァン国を狙う、これも今まで行って来た方法です。


 しかし、この内容が変化すると言うのが私の推測です。

 具体的に言うと、技術格差が大きかったこれまでの世界情勢が敵(魅了男のパーティー)によって一部(軍事)の面で逆転したことです。


 ここまで説明した所、ヴィラ大使とバラン代理大使から「「それは無い」。」と否定されてしまいましたので、具体例を出して説明します。


 私達が火球砲の受け渡しをする為東へ旅をした、その帰りに襲って来た、敵が使用した武器の内容を説明したのです。


 先ずは、飛行機です、上空500コル(750m)以上の上空から敵を偵察出来るし、馬車隊に追従できるだけの速度をもって長時間飛行できる性能を持っています。


 更に、銃器が2種類で一つは炸裂弾も発射できる、銃器は狙撃出来る銃で4km以上離れた距離から狙撃出来る性能を持っていて、連発まで可能です。

 対物ライフルはさらに長距離も可能と思えますし、炸裂弾も撃てるのです。


 レタ、アイ、ナミを狙った弾丸は数発参考にするため回収してあります。

 具体的な物証のある、火付け魔道具(ビザンツ帝国の火)の金属の箱と弾丸を見せながら(中身は抜いています)二人に説明します。


 どれも、軍事的に有効でヴァン国で作る事が出来ない技術で作られています。


 そして、その技術の先に見えてくる物、人の乗った飛行機、大砲、ロケット、ミサイルまでも開発可能でしょう、他にも通信機、機関銃、戦車、動力戦艦、軍事力は装備品だけではありません、浸透戦術や機動戦、参謀や将校の組織作り、総力戦の概念など挙げていけば限がありません。


 二人は弾丸を見ながらそれが音より早く飛んで来ると聞いても理解できないようでした、他にも大砲は火球砲の延長で理解できてもロケットやミサイルは理解不能のようです。


 結局分かっていただいたのは、銃器関係とその発展形の大砲ぐらいで他はあきらめました。

 魔通信の魔道具やゴーレム馬車があるので通信機や車や戦車は対抗できると思われたようです。


 でも通信機のデジタル通信は理解できないようで、私の説明能力の無さが悔やまれます。


 今後、敵(魅了男のパーティー)が作って来るのは、火球砲に対抗して大砲を作ると考えています。


 大砲を作るのに、金属材料の加工から火薬の制作、信管用の起爆薬などの越えなければならない山や谷がありますが、対物ライフルを作れるなら直ぐにでも作るかもしれません。


 そして説明しようとしているのは、帝国の行動の変化です。


 一、私を狙うですが、今の間接にから直接に代わるでしょう。

 具体的には、大使館を帝国の軍隊が襲ってくるです。


 二、そしてヴァン国を狙う、は戦争を考えて行動してくると思います。


 戦争になる成らないに関係なく平和に戻すための条約を結んで、ヴァン国の王族との婚姻を迫るでしょう。


 これは、火球砲の貸付が大砲の作成で無意味になるからです。

 私もドミナント要塞からの帰り道での襲撃で狙撃されなければ気が付かなかったでしょう。

 遠隔操縦の飛行機が出てきたことも想定外です。

 敵(魅了男のパーティー)は別世界の知識でこの世界にチートな兵器を作り出しています。


 帝国はヴァン国への戦争を前提に国是である長命族の取り込みを強制的に進めるでしょう。


 懸念があるのは、敵(魅了男のパーティー)が何処に居て、帝国とどうかかわっているのかが分からない事です。


 襲って来た騎馬隊は良く訓練された帝国軍と思われる軍隊でした、何故敵は彼等を使えたのでしょう? 臨時に敵(魅了男のパーティー)と協力関係にあったとしても銃撃の音で襲うほど連携が取れていました。


 敵(魅了男のパーティー)と訓練したのでしょうが、敵(魅了男のパーティー)がそれだけ帝国よりの位置に居るのでしょう。


 今後、大砲や銃器の供給で帝国への影響力は高まるでしょう。

 帝国も兵器の供給でその行動まで変えていくのでしょう。


 敵(魅了男のパーティー)を見つけていまの内に処分したいです。

 (うん、その気持ちわかるよ by妹)

 (明白な敵だからね by大姉)


 帝都に居ることまでは推測で分かっているのですが、それ以外が分かりません。

 推測で出そうな場所を見張っても、その前に大使館を襲われそうです。

 でも何もしないより足掻くだけ足掻いて見ましょう。


 結局大使2人への説明は危機の共有は出来ましたけど、真の脅威の度合いは伝えることが出来ませんでした。

 ただ、帝国が戦争を前提に動くだろうとの認識は一致しましたので、大使館の人員全員の避難は了承されました。


 帝都からの脱出です。


方針は帝国からの脱出と決まりました。

でも簡単には、出して呉れないでしょうね。

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