第5話・2 新世界にて(2)ー2
第2章の前半の終わりになります。
キャンプが続きます。
穴掘りや整地以外の魔術は、魔力を球形にして光や闇・水・土・火・風・電に変化させて出す魔術が使える。
光、風は光る玉を動かすか風が吹くぐらい、水は体の近くならどこからでも出せるし、土は固い土を飛ばすことが出来る。
火だって火の玉を出せる、飛ばすのはゆっくりだけど。
闇は暗くするだけ見たい。
電は電気を作る事、ビリッとくるだけ。
火と水を合わせてみると温水が出せた。
(やった!これでトイレが紙いらずになる by妹)
風と火だと温風じゃなくて熱風に成ったので加減が分かるまで風のみ使おう。
(何か魔術が生活魔法じみてるけどこれでいいのか? by大姉)
(LvMAXにしては貧弱だと思う by妹)
キャンプ地の近くの森で薪になりそうな枝を拾う。
帰りながら空を見上げると太陽が最初見たよりもだいぶ傾いてきた。
気温や太陽の高さ、角度からおそらく地球位の大きさの星で南か北か分からないけど中緯度地方にいるんじゃないかと思う。
太陽の方を向くと鳥が何羽か飛んでいる。
森には結構虫もいたし、川は見ていないけど魚とかもいるんじゃないかな?
(空間把握でそれっぽい形は感知したしね by大姉)
キャンプの竈まで戻って鉄鍋に水を入れ軽く洗う。
改めて鍋に熱湯を注ぎ、拾ってきた小枝を適当に折って、竈の下へ入れる。
火の玉を枝の中に放り込むと簡単に火がついた。
鍋に蓋をして、テントの中に入る。
ポーチから食料の入った、袋を出す。
(家庭科の授業で、ゆで卵とかご飯やみそ汁は作ったことあるよ by妹)
さっき見た時には乾燥した肉や野菜に芋があった。
(取り敢えず焼く? by大姉)
袋の中には、謎の干し肉と里芋っぽい根菜。
何種類かの野菜を小切りにして乾燥させた物と乾燥豆。
切り干し大根みたいな赤い何か、後塩? 舐めるとしょっぱいけど茶色いし結晶みたいになってるし、塩の袋には大根おろしみたいな小さなおろし金が付いている。
(作った事ないけど、煮ればいいのさ by大姉)
最初にナイフで削った干し肉を鍋に入れ、里芋ぽいのはナイフで皮を剝き、乾燥野菜や豆と一緒に鍋に入れる。
岩塩?をおろし金でガリガリ削り、蓋をして沸くまで小枝を追加しながら待つ。
沸いてきたら広口のカップで灰汁を取る。
火が熾火になって少ししたころ、野菜に火が通って煮えたので広口のカップを鍋に入れてすくう。
汁を少し飲んでみると結構塩辛い。
これなら干し肉だけで岩塩は入れなくても良かったかも。
でも干し肉や野菜からうま味が出ていて結構おいしい。
(ちょっと塩辛いだけで、食べられない訳じゃない無い by大姉)
半分ほどスープをトイレに流し、温水で薄めた。(;; by妹)
食事は里芋?1個と肉と野菜のスープで十分満足した。
スープの残りを飲みながら夜の過ごし方を考える。
神域があるけど、神域で寝てて夜にテント内が無人だと思われてドカドカ入り込まれるのも嫌だ。
神の権能に聖域というのがあるけど、これが使えないと一晩中空間把握を展開しながら起きていないといけない。
職業やスキルの知識によると大型の魔物や獣で脅威になるのは森の奥や山とか海にいるけど街道付近には出てこない。
中型でも単独で行動するのは比較的大きな個体で、森のやや奥に居る。
中型で集団で行動するような魔物や獣は結構ここいらにもいるようだ。
小型は大きな集団にならない限り脅威ではない。
聖域を展開する、聖域を展開と思うだけで聖域が出来た。
結構魔力を使う、満タンになっていた魔力を四分の一位使った感じがした。
展開して見て分かったが、中型ぐらいまでの魔獣と獣や虫、人などが近寄らない結界だった。
5キュビテ(1.5m)ぐらいの半径で球形に展開している。
テントがギリギリ入るくらいの聖域が張れた。
(これで今夜は安心して眠れる。やったー! by妹)
(近寄らないだけで、近寄れない分けでは無い by大姉)
日が落ちて、そろそろ寝ようかと神域の扉を出して開け神域に入る。
中でウエストバッグから毛布を出していると。
空間把握で街道の南側から馬車の集団がやって来くるのが分かった。
このキャンプ地に入ってきて野営をするようね。
キャンプの食事は美味しいはずですが。
小学5年生と戦バカ(乙女)が協力しても1未満の小数点同志で掛け算でしょう。
カスミは美味しいとか満足したとか言ってますが…。




