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魔術師、異世界をソロで往く 帝国編  作者: 迷子のハッチ
第6章 神聖ロマナム帝国帝都ミンスター
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第51話 帝都ミンスターで暗闘(3)

火球砲を作ります。

 老舗旅館猟犬亭に帰って来た私達は、家(神域の部屋)に入り大使へ必要な材料と物資のリストと1台当たりの乗員数、運用に係わる人員などの予想を書いたリストをナミに届けて貰った。

 内容と言うか材料は私達がほとんど作れてしまうので原材料になっている。

 以下内容をリストにすると。

 ・魔鉄アダマンタイト1グッシュ(約7㎏)

 ・魔金オリハルコン 1グラン(約700g)

 ・鉄          10グッシュ(約70㎏)


 必要量を計算して、さらに私が欲しい量を足してリストにした。

 (自重しなさいよね、欲しいと言ったのはカスミちゃんだけど by妹)


 意趣返しではありませんが、大使が赴任するのに使った馬車がウルの汁を使った強化ゴーレム馬車だと、臨時大使のバランさんから聞いているので3台とも使わせていただきます。

 (ウルの汁ですが、この液体に木板を1年間付けて置くだけで魔力への耐性が高く強靭な水を弾く板ができるのです by小姉)


 次に馬車の改造のリストと言うか仕様書?

 ・軍用馬車(ウルの汁に漬けて強化した木材で側を作ってある馬車)2台

 ・馬車用ゴーレム2台

 ・強化木材(ウルの汁に漬けて強化した木材)手に入らなければウルの汁だけでも


 運用人員(1台)

 ・馬車の御者(ゴーレム運用者) 1名

 ・火球砲(命名した by妹)砲手1名 砲を上下に操作・魔石交換・発砲

 ・火球砲 操作1名(標的方向へ砲を回転させ発砲方向を決める操作)

 ・指揮 1名

 の計4名で1台の馬車を運用する。


 火球砲の性能をどうするか悩んだ、性能を追求すれば連装砲にして毎分の発射回数を上げる事も、更にはガトリング砲にして毎分数百発とか考えられるけどやり過ぎはダメね。


 その為、砲は単装砲、発砲速度は毎秒1発。

 火球のまま到達できる距離は300ヒロ(450m)。

 炸裂(火炎と衝撃波発生)効果範囲10ヒロ(15m)。

 近接炸裂魔術陣付加(索敵魔波で接近する滞空物のみを感知して5ヒロ(7.5m)まで近づくと炸裂)。

 近接炸裂魔術陣が作用しない場合、300ヒロ過ぎた時か、火球の魔術陣が壊れた時に炸裂。

 総発砲数は魔石毎に6級1個で32発、7級1個で4発、8級4個で1発を想定しているが8級で発砲するのは想定外の仕様となる。

 魔術効果の速度は音速を超えられないようで発砲後の速度は音速と同一速度となり、直進する。

 上記より発砲音は小さい。


 材量を揃えてもらい、大使館で作業をする。

 アダマンタイトとオリハルコンは大使館に材料が足りなくて、私(レタが探した)の大使への貸として調達した。

 強化木材もヴァン国でしか手に入らないので、大使が国から乗って来た3台の馬車の内2台を改造、必要な部材を残りの1台から調達。

 (大使が泣いていたような気がする by妹)

 (大した量じゃないよ、砲架台を支える支柱に使うだけだよ by大姉)


 こうして7月中頃に完成した。

 これから人員の訓練を行い、運用に慣れてもらいながら手直しが出ればその場で修正していく予定です。


 私が火球砲を作っている間、レタ、アイ、ナミの3人は帝都にある傭兵ギルドで入会手続きを終え無事10級ギルド会員になれた。

 入会手続きの際クラン登録も出来たので私達のクラン名を木に連なる者「モクレン」とした。


 帝都では社交シーズンが始まり、私達が敵と見なす彼らもあれから(帝都入り)暗躍しているようです。


 偵察バグの情報から分かった事ですが。

 オルカ男爵ですが、スダーネンコ侯爵と相前後して帝都入りした後、直ぐにボネ公爵の邸宅へ行ったようです。


 オルカ男爵の邸宅で探った所、まだ何処からも訴え出た者が居ない事に安堵していたそうで、ボネ公爵に献金して訴えた者が出たら無効にして貰うように頼んだらしい。


 オルカ男爵次男イリヤ以下31名はこの件が終わるまで謹慎させている、とオルカ男爵が訪ねたスダーネンコ侯爵邸で話すのを偵察バグが聞いている。


 告発はそろそろのはず、大使館へ一任しているので火球砲の訓練が一段落したタイミングで出すでしょう。


 レタはナミだけで無くアイ、自分も調査に駆り出してボネ公爵の派閥を調ベています。


 大使館にある帝国貴族年鑑をいつの間にかコピーしてきてそれに載った、血族や寄り親寄り子関係の人脈を調べ、後で大使館で分かる範囲でその正確さをチェックしているそうです。


 私達がそうやって忙しくしている頃、ボネ伯爵から私達が帝都にいるらしいとの情報がボネ公爵に伝わったと、アイが偵察バグからの情報を知らせてから1日後。

 レタから大使館が見張られていると連絡してきた。


 オルカ男爵次男の事件も人数や魔術の腕前から私の仕業とボネ公爵は判断したと偵察バグの情報から分かりました。


 幸い旅館までは知られていないようで、急遽大使館に居たレタは見つからないように旅館へ帰って来た。


 家(神域の部屋)に居たアイと合流し、ナミの場所を確認したところ帝都の南へ行っているとの事、どうやら本や香辛料、ハーブなどのみんなからの頼まれ物を買っているようです。


 レタによるとボネ伯爵とボネ公爵は血縁関係になるそうですが、ボネ伯爵の方が本家になるようで、その関係は微妙で派閥の宰領はボネ公爵だが実権はボネ伯爵が握っているらしい。


 数代前のボネ伯爵の娘が皇族の男と結婚したのが始まりらしい。

 男は皇族から臣籍降下してボネ公爵家を興した。


 ボネの名はネーコネンと言う帝国の基礎となる一族の名でネの尊族と呼ばれる祖先が起こした名前なので、帝国では最も古くからの貴族と呼べる名称になる。


 その後も婚姻関係での血縁の強化があり、又公爵家は皇族とも婚姻関係を結ぶことに成功してボネ一族の派閥は帝国での発言力を増すことになる。


 相手は強敵の様です、そろそろボネ伯爵の別邸を借りるか判断しなければ。

 ナミも帰って来たようですし皆に相談ですね、食堂に集まります。


 「先ず私から、現状の説明ね」


 「火球砲は完成したわ、手直しはまだあるけど致命的な不具合は無いと思う」

 「大使の話では明日帝国皇帝に捧呈する予定よ、その後実演するそうです」

 「オルカ男爵次男イリヤ以下31名への告発は帝国が火球砲にしっかり食いついてからね」


 「以上が現在の状況よ」


 「次が今分かっている事ね」


 「オルカ男爵次男イリヤ以下31名は領地で謹慎中」

 「ボネ公爵派は帝国でも大きな派閥だと言うこと」

 「オルカ男爵は上手くボネ派に食い込んでいて、訴状が出たら無効にするよう工作しているわ」

 「ボネ伯爵がボネ公爵にベルベンボネ市での話を伝えて私が帝都へ旅券の書き換えに行く事を伝えたそうよ」

 「そしてボネ公爵は既に旅券の書き換え手続きが終わっている事を知ったわ」


 「で、このボネ派、私を皇帝の第5妃にするか、ボネ公爵の息子の嫁にしたいと動いているの」


 「実際の流れは、先ず皇帝の妃にして、子供が生まれたら臣籍に降下してボネ公爵の息子と結婚、子供を産ませる、としたい様ね」

 「無茶苦茶気に入らない話だけど、変なのは臣籍降下って他国の姫さまだよ、臣籍降下とかできるの」とカスミちゃん。

 「この国は周辺の国を属国と思っているんだよ、ヴァン国もね」姉ねが吐き捨てる様に言う。

 「この国の貴族の高慢さはひどい物らしい、大使の話だとね」私も聞いてきた話しをする。


 「今の時点でのおおやけの動きは帝国からのヴァン国への輿入れの打診ぐらいね」

 「裏では、大使館に影を張り付けて私を見つける積りのようね」

 「見つけてどうするのかはまだ分からないわ」


 「検討してほしいのは、今言ったことを踏まえて今後どうするかよ」


 「先ずボネ伯爵の別邸を借りるかどうかね」

 「借りたらこちらの動きが相手に筒抜けになると思うわ」とカスミちゃん。

 「何らかの行動を起こす時、アリバイ工作に使えないかな」これはカスミ姉ね。


 「帝都に着いたらボネ伯爵に借りる挨拶へ行くであります、そして別邸には一切行かずに無視するであります」とレタ。


 「公式に帝都へ着いたとなれば、社交界への出席を求められると思います」

 「社交界で動くには招かれるだけでなく招く必要があります」とアイ。


 「社交界に出るメリットが無いでござる」

 「逆にデメリットなら沢山有るではござらぬか」

 「旅券の件は終り申した、今更使うことなど在り申さぬ」

 「敵に工作の隙を与えることになるでござる」

 「合いたくも無い相手に会うことになり申す」

 「相手に会えば感情的な付けこむ隙を作る事にもなり申す」とナミ。


 「分かりました、ボネ伯爵の別邸は手紙で断る事にします」これで良いでしょう。


 「ボネ公爵の動きについて対策を考えましょう」


 私としては、逃げたいですね、気持ち悪いですから。

 

お互い探り合いの段階ですが、暗闘は始まっています。

火球砲のイメージは第2次大戦の船に装備されていた対空砲ですが、砲身を単装砲にしたのもあってこの世界では妄想の産物に成ってしまいました。

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