第5話・1 新世界にて(2)ー1
キャンプは楽しいですね。山でのキャンプは経験ありますが。
テントを張るだけで大変な思いをしたことがあります。
私もこんな魔道具がほしいです。
これも長いので2話に分割投稿しています。
街道から入ると、空き地は南北に長い形をしていて、入り口側の南の奥から川に降りる場所がある。
街道は遠くには東から西に通っているように見えるが、この付近では森の端に沿って南北に通っている。
後から誰か来るかもしれないので、川から遠い方の空き地の端っこにする。
空き地の奥まで進み、キャンプ地を決める。
キャンプするのに便利な魔術を幾つか使って見ようと思う。
最初はテントを張るのに便利な穴掘りと整地の魔術。
「我が意志に従いて、大地に幅1キュビテ(約30㎝)、深さ1キュビテ(約30㎝)、の穴を身の前から前方へ10キュビテ(約3m)堀り、堀った土は右へ盛り上げよ」
「掘れ!」
これを時計回りに4回繰り返してテントを張る場所を四角く囲む。
次に土を掘って囲んだ場所を平に整地する。
「我が意志に従いて、大地に身の前から幅6キュビテ(約180㎝)四方を平に整地せよ」
「整地!」
盛り土の中1.8平方メートルぐらいが平に整地される。
頭の中に設計図を隅々まで書けば起動用の文言だけで良いような気がする。
1キュビテ約30センチぐらいかな、この世界の長さや重さの単位が大雑把にしか分からない。
テントは魔道具になっている。
テントを出し天辺の出っ張りに魔力を少し入れると、テントが自動的に展開して整地した場所に収まる。
後は位置を調整して、付属品の固定用ベグを打ち込むだけ。
テントは整地した一番入り口側に寄せて設置する。
当然出入口は空き地の奥、森へ向く方角だ。
テントの縁に沿って溝を掘り外の溝につなげる。
盛った土に穴を開けるのも穴掘り魔術で行ける。
テントの出入口を背に右に鍋を置く竈を穴掘り魔術で、サクッと作る。
左の端に同じく穴掘りの魔術で今度はトイレ用に長細い深い穴を作り、周囲を座ると腰ぐらいの高さになるまで盛り上げる。
とても開放的だが下半身は隠せるトイレ作成完了。
空間把握と察知がスキルにあったはずなので、使って見ることにした。
Lv2ある空間把握は球形内を質量感知できる能力。
感知できる最小質量の大きさを変化させることで、把握出来る球形の大きさを変化させることが出来る。
察知はLv1。
最大300キュビテ(約100m)程の球形内で動きのある物、の感知のようだ。
察知の上位互換が空間把握かもしれない。
空間把握の半径を1/10スン(3mm)まで小さくすると、私の指が山の様に大きく感じられ、その中の細胞のさらに奥DNAやたんぱく質が動く様まで感知できたわ。
逆に把握できる質量を1グラン(約700g)まで緩くすると半径が約3000キュビテ(1㎞ぐらい?)まで把握出来た。
このくらいだと人の判別が出来るギリギリだと思う。
私を空間把握の1グラン感知で感知すると、人型の子供だろうとは把握できても男女までは分からない。
空間察知を半径3000キュビテ(約1㎞)ぐらいで展開しておくことにしてどのくらいの時間展開できるかやってみると、1時間ぐらいは余裕で展開できる事が分かった。
時間の単位は一日を24分割して1時間とかだけど、時間の経過は、15分間で1コルとかよくわかんない、96コルで1日とか細かすぎ。
長柄武器と体術、忍術は私にとって魔術以外の戦う手段だ。
キャンプの外へ出て槍の型をしてみる。
2メートルほどの槍は棒術と違って常に穂先を気にしないといけないのが難点ね。
それに、身近に入られると困るけど中距離では最強だと思う。
体術と忍術は体捌が基本で、Lv1では基本的な動きが出来る程度のレベルね。
近距離での戦闘では長柄武器よりも力を発揮するわ。
忍術とナイフは相性が良い。
投げてよし、近距離での立ち回りにも、木や岩を使った立体的な動きにも使いやすい。
体術は体を動かす基本になる。
左右、前後への動きや上下の移動もぶれることなく動ける。
課題として残るのは、遠距離からの狙撃や魔術による攻撃への対処ね。
魅了や洗脳への耐性は有ると思う。
修正して見直して修正する。の繰り返しです。
内容は変わりませんが、言い回しとか形容の仕方が変わりました。
毎日投稿はまだまだ続きます。




