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第44話 黒の森ダンジョン(3)

黒の森ダンジョンです

 「レタ、他に近寄る魔物らしき物は居るかしら」


 「全方位、地上は北から時計回りに北に蟻型3匹、東に熊型1匹、南から西に狼6匹、でありまする」

 「木の上からは、同じく時計回りに南東に蛇型1匹、南に蜘蛛3匹、北西に大猫2匹でありまするう」


 「アイ、木の上は水で落とせるものは落としてちょうだい」

 「ナミ、水で下に落ちた魔物を倒して行って」

 「レタ、私が地上を掃討するわ、打ち漏らしを教えて」


 「さあ今よ!」号令を掛ける。

 槍を左手で持ち、魔術の行使を行う。

 「炎槍」一言で10本を出して魔物に打ち放つ。


 アイが水を下から上へと吹き上がらせる。「水よ!」

 蛇型が一匹と大猫が2匹落ちてくる。

 蜘蛛は水を吸い込んで動け無くなりそのまま死亡、落下する。

 ナミが下に落ちて怪我をして動けなくなった魔物に止めを刺す。

 「打ち漏らしは有りませんであります」レタが最後に魔物の打ち漏らしを確認して報告する。


 一度木の根元に神域の部屋を出し、倒した魔物の魔石とドロップ品(皮や魔糸)を拾い部屋に入る。

 魔石とドロップ品を玄関の後室の棚へ置き、終わったら一度家の扉を消して、大木の大枝迄飛空で飛ぶ。


 再度神域の部屋を出して今度は私も中に入る。

 まだ昼の7時(午後0時)にもなっていない、それにしても疲れたよ。


 ワイバーンを倒したのは良いけどイオンビームは無いわ~。

 (あの瞬間魔力20万を使っていたわびっくりね by大姉)

 (無意識だと思うけど、『神罰イオン粒子線』って言ってたわよ by妹)

 (そうなのね覚えてないのよ、あのときはただ怖かった、ほんとに怖かったの by小姉)


 「ところでさ、ワイバーンなんだけどね」

 「どうして私を襲ったのかなぁ」

 ワイバーンの姿を思い出しながら、大きく口を開けて突っ込んできた時の恐怖を思い出して再度震えた。

 (攻撃しようとしたのかも、喉の奥に魔術陣が見えた気がするよ by大姉)


 「とっても怖かったよぅ」鳴き声を出して皆に恐怖を共有してもらいたいとアピールする。

 アイが胸に抱き寄せてくれて、「さぞや怖かったでしょう」と背中をポンポンとしてくれる。

 不思議に涙が溢れてきて声が詰まる。

 「エッエッ」と詰まった声で鳴き声が出る。

 そうだ私は泣きたかったんだ、とその時気が付いた。

 「ファッアーンッ、アーンッアンッ」と大声で泣くと気持ちがすっきりした。

 そのままアイに抱かれながらしばらくじっとしていた。

 皆も周りに集まって来て私を取り囲み無言だけど、優しい気持ちで一杯になる。

 あ、あ~ッ、幸せってこんなだったのね。


 そのまま夕方まで寝てしまったようだ。

 ベットから起きて皆に元気に挨拶をする。

 「みんな起きたよう~」

 「ありがとうみんな元気になったわ」


 「心配したんだよ元気になって良かったよう」とカスミちゃん。

 「私も心配したかな、恐怖はなかなか厄介だからね」とカスミ姉ね。

 「お嬢様は元気なのがとても似合っておられますでしょうです」とレタ。

 「いつでも抱っこして差し上げますね」とアイ、嬉し恥ずかしです。

 「パンを食べるでござる」ナミは変わらないわね。


 食堂でみんなでお話をしながら夕ご飯を食べる。


 ナミが本格的なパンを焼いたので、今日からパンが毎日食べられるそうなんですって。


 パンの種類も小麦だけで焼いた柔らかパン、から小麦の割合が少なく、ライ麦の割合が多くなって固く膨らみにくいのまで5~7種類ぐらい作れるそうです。


 形は基本形が丸い形で、応用したのには長い物や四角に整えて焼いた物などいくつもあって、パンの中に入れる物もチーズ、ハム、ソーセージ、野菜の種やクルミの様な食べられる種、野菜も挟んで食べる種類など色々あるけど、全て近々作る予定だそうです。


 今日は基本の小麦とライ麦を半々に混ぜた庶民の味方岩パンです。

 え、堅そうですってカスミちゃん、本当に硬いのはライ麦100%の岩石パンですってよ。


 それにナミとカスミ姉妹が錬金で協力して酵母をパン生地に上手く馴染ませることに成功したので、焼きあがったパンが小麦のみのパン並みに柔らかくおいしいパンになっています。

 (一生懸命に食べて協力したんだよ by妹)

 (それにカスミ姉ねがパン窯を作ったんだよ by妹)


 醗酵させるための酵母や麹、なども数種類分離出来ているそうで、主にカスミ姉ねが研究室を設けて広く農業の基礎的な研究をしているそうです。

 (いつの間に、パン窯とかラボとかつくったの by小姉)

 (カスミが偵察バグとか作りまくってた時だよ by大姉)


 おかげでおいしいパンが食べれます。


 美味しい食事、ゆったりとした時間とお風呂、久しぶりの充実した1日でした、午前中は除くよ。


 次の日十分に警戒して近くに魔物が居ないことを確かめて部屋(神域の部屋)を出ます。

 素早く飛空で上空へと上がり、飛空服を展開、黒の森の境へと東進します。


 2コル(30分)も飛んだ頃森が終わり荒れた大地になってきました。

 この辺は農地にするには魔物が近くに出るので、森の影響が無くなる更に5㎞ぐらい離れた場所から農地が始まります。

 (バンザ~イ、やっと黒の森ダンジョン抜けたよ by妹)


 やっと黒の森を抜け出ることが出来ました。

 恐ろしい目に遭いましたが、みんなで協力して切り抜けることが出来ました。

 レタ、アイ,ナミあなたたちの御蔭で無事黒の森ダンジョンを抜けることが出来ました、ありがとう。

 (カスミ姉妹一同からお礼申し上げる、ありがとう by大姉&by小姉&by妹)

 「「「私共も、少しでもお力に成れたのであれば嬉しい限り」」」「でございますです」、「ですわ」、「でござる」


 今日1日飛空すれば日の暮れる前に、近くの林にでも降りれるでしょう。

 ベルン市の近くは流通の集積地になっている為か、川や街道が整備され運河の様な同じ幅の真直ぐな水路や整備された街道がベルンを中心に集まっているようです。


 だんだん近づくベルン市ですが、今日はベルン市の近くの林にでも泊まって明日は観光しようかな。

 ダンジョンも見てみたいしね、傭兵ギルドへも顔を出さないとね。


 いつものように近くの林に降りて家へ帰ります。


襲われてカスミの恐怖は限界を超えたようです。

ソロだけど、ソロじゃなくて良かったね。

ベルン市に着きましたけど、目的地は帝都ミンスターです。

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